セミファイナル第10試合、今年7月に大岩龍矢に敗れ、Krushライト級王座から陥落した伊藤健人が再起戦を迎える。児玉兼慎も今年1月のKO勝利後に足を負傷し、今回が約10ヵ月ぶりの試合になる。来年、大きな動きが見られそうなライト級戦線において、両者ともに負けられない一戦だ。
1R、ガードを固めローを放つ伊藤に対し、児玉が左フックでいきなりダウンを奪う。開始数十秒で劣勢に立たされることになった伊藤だが、その後は再びガードを固めながらパンチとローを返していく。だが後半には児玉がガードの隙間から右アッパーを一閃。ダウンこそ奪えなかったが、児玉が優勢を保ったまま1Rを終えた。
2R、ガードを固める伊藤だが、児玉は構わずパンチを連打。中盤から後半にかけてはローなどの蹴り技でも場内を沸かせていく。伊藤も絶えずパンチとローを返すが、ポイントを奪い返すまでには至らない。
3R、まずは伊藤がパンチとカーフで仕掛けていく。だが児玉は気持ちをすかすように、ジャブとサークリングで間合いを掌握。逆転を狙う伊藤に有効打を許さない。残り30秒に左右のフックをまとめ、ゴングと同時にアゴを打ち抜いた伊藤だが時すでに遅し。最後まで伊藤の強打を封じた児玉が、来年、大きな動きが見られそうなライト級戦線のなかで自己の存在をアピールした。