4月29日(火・祝)後楽園ホールで開催される「Krush.173」の[Krushスーパー・ライト級/3分3R・延長1R]に出場する塚本拓真選手のインタビューを公開!
──SNSで、この試合が盛り上がっていないことに対して嘆きの声を上げていましたね。
塚本 そりゃ嘆きますよ。去年1年、もちろん対戦相手あってのことですけど、すごかったじゃないですか。近藤魁成選手もすごく知名度のある選手だったし、その次の綱引きも結果的にゴンナパーとの対戦になりましたけど、イベントとしてすごく盛り上がってて、不可思選手の時もすごく盛り上がって、K-1初出場で佐々木大蔵さんと対戦した時もやっぱり盛り上がってましたからね。それが今回は、SNSとか見ても、みんな児玉vs上野ばっかりで、塚本の名前が全然出てこねえなと思って。それは岩﨑選手が相手だからというより、僕自身の力不足でもあるんですけど、選手としてもっと大きくならなきゃなっていうのは、ちょっと思いました。
──ただ、岩﨑選手も侮れない相手ですよね。
塚本 いや、強いと思いますよ。けどぶっちゃけ、前回(24年11月、川﨑聖亮朗戦)も負けてるじゃないですか。僕も負けてるんでアレですけど。強いとは思いますけど、別に客観的にファイトスタイルとか見ても、負ける要素はないなっていうか。ナメてるとかじゃなくて、「なんで岩﨑?」っていうのは正直あるんです。
──自分がマッチメイク的にも段階が上がってきてるなという手応えがあったところに。この相手かよ、みたいな。
塚本 そうですね。結局、僕が前回、佐々木大蔵戦で負けてるから、相手のレベルが落ちるのは分かってるし、しょうがないことですけど、でも落ちすぎだろと。
──だとすると、この試合ではどうしなきゃいけないと思っていますか?
塚本 本当にボコボコにしなきゃですよね。圧倒的にKOして勝つ。それぐらいのインパクトを残さないと、僕のことを見てくれてる人たちも「塚本、強くなったな」って思ってもらえないと思うんで。
──そもそも岩﨑選手の印象はどんな感じですか?
塚本 もともと階級が違いましたけど、試合を見ていて「強いな」というのは何か感じてたんですよ。けど、試合が決まって改めて大宮司さんとかとも映像を見たら、「何で強いと思ってたんだろう?」と思っちゃって。対戦相手としてちゃんとフォーカスして見てみたら、何か逆に強さが分かんなくなったんですよね。あと、去年からジムを移籍したんですよね。
──そうですね、サイガジムに移籍して、これが3戦目になります。
塚本 サイガジムにはいろんな選手が行ってますよね。SNSで見ただけですけど。そもそも、岩﨑選手側にもいろんな理由があるのかもしれないけど、ジムをいくつか変えてるじゃないですか。俺の中では、そういう選手ってどうなの?っていうのがあって。自分はそれこそ、いつもお世話になってる大宮司さんだったり、セコンドに入ってもらう人とかには一番信頼していて、僕は本当に全てを預けて戦ってるので、言ってしまえばそれだけの人間関係が築けてないとかかなと思っちゃうんですよ。別に才賀紀左衛門が教えるのがうまいとかどうとか、それで強くなれるほど甘くないだろうっていう。
──なるほど。
塚本 俺は本当シルバーウルフの、いつもの信頼するメンバーたちと、本当に岩﨑をぶっ飛ばしに行こうと思ってるんで、マジでKOしてやります。
──では、今盛り上がってないと感じる分、内容、倒し方で勝負しようと。
塚本 そうですね。結局ファイターは、そこで勝負するしかないですからね。今、BreakingDownに絡みに行ったりとか、それこそ今回、メインで試合する後輩の児玉兼慎とかも、SNSとかけっこう過激じゃないですか。僕は正直そういうキャラじゃないんですけど、今はそういうことも言ってられないというか、選手もそういう流れに乗ったりとかSNS盛り上げるのが必要な時代なのかなとは思うんですけど……僕はやっぱりそういうのが下手なんで。でもやっぱり、その分プロとして、試合ではしっかり見せるものを見せなきゃなっていうのは感じてるんですよ。だから今回は、それを見せるためだけの試合ですね。
──逆に言うと、昨年は試合の中身でも見せてこられたという、手応えや自信もあった?
塚本 去年は4戦して2戦2勝で、別に全て勝ったわけじゃないから偉そうなことを言える立場ではないですけど、自分が見せるべきものは見せられたかなというのはありますね。それって、相手がみんな名前のある選手で、「塚本はこいつには勝てないだろう」っていう相手とああいう試合をしたから評価されたと思うんですよ。ぶっちゃけ今回、僕の応援団とかで格闘技を普段見ない人たちとかでも、スーパー・ライト級の選手をけっこう覚えてくれているんですけど、「次の相手は誰?」ってなった時に「岩﨑選手」って言ったら、「それ誰?」みたいな感じになるんですよ。だからそんな相手に苦戦してたら、周りの人たちも「拓真、大丈夫?」ってなると思うので。岩﨑選手が、全然知られてないだけで強いところは強いっていうのは認めますけど、でも自分はここで苦戦するようなレベルにいちゃいけないなと思いますね。
──では、速攻で決めたい?
塚本 いけたら、もう速攻で決めにいきますね。今回のテーマ差を見せて決めるということなので。
──先ほども話が出たように、今大会は児玉選手の試合がメインです。「後輩にメインを取られた」という気持ちはありますか?
塚本 いや、悔しいっすよ。仲はいいし、僕もいつもセコンドに入れるぐらい信頼してる後輩なので、兼慎のことは大好きですけど、でも実際、後輩にメインを取られたっていうのは事実なので。しかも兼慎がタイトルマッチに挑戦とかだったらまだ分かるけど、タイトルマッチがない興行で、そっちの方が話題が取れるからっていうので運営が判断して、兼慎がメインになったわけじゃないですか。だから悔しいっていうのは、やっぱりありますね。
──児玉選手はRibelLionの一員にもなっています。先ほど塚本選手が「苦手だ」と言っていたことを児玉選手はやっているというのはありますよね。
塚本 そうですね。そういうのをやってるから、ああやって話題になってるんだろうし、後輩だけど、そういうところは今回のその試合順とかで評価が分かれてるんだろうなとは思います。まあ、さっきは「キャラじゃない」とか言ってたけど、見習うべきところでもあるのかなというのはありますね。俺があれをやってもなっていうのもありますけど(笑)。
──だから今回の試合では、「塚本すげえな、もっと上で使わなきゃな」と思わせたいと。
塚本 はい、それはお客さんにも運営にも思わせたいですね。その意味では、やることは明確ですから。
──一方で、このところ戦績がオセロ状態ですよね。
塚本 そうなんですよ。昔、3連敗したことがあって、自分自身もそうだし、自分のことをずっと応援してくれてる人たちにも、本当に地獄みたいな状態になったんですけど、そこから5連勝できて、いい気持ちにはなってたんですけど、心のどこかで当時の自分の実力に自信がなかったから、連勝してても不安があったんですよね。練習をしてた中でも、この調子はいつまで続くんだろう、みたいな。でも今はそういうところを抜けて、しっかり実力をつけてここまで来てると思ってて。だからこそ、相手のレベルも上がってきてるというのはもちろんあるんですけど、相手が強いから負けたとかそういうレベルじゃなく、チャンピオンになるような選手って誰が相手でも勝ち続ける選手だと思うので、これから先はもう全部勝っていかないと、上までたどり着けないと思うので、今年中にKrushのベルトは巻こうと思っています。
──では最後に、改めてこの試合に向けての“決意”をいただけますか?
塚本 あ、質問からはちょっと外れちゃうんですけど、言いたいことがあるので、ちょっといいですか?
──ああ、どうぞどうぞ。
塚本 この試合の煽りVが公開されたんですけど、それを見てたら才賀紀左衛門がメチャクチャボロクソに言ってきてたんですよ。「バイオハザードみたいなファイトスタイルで気持ち悪い」だの、「ゾンビファイトがどうのこうの」だのってボロクソ言われてて、もう俺と紀左衛門の試合かっていう煽りVになってるんですよ。それも岩﨑がしゃべらなすぎだからなんですよね。別に何を言われてもいいんですけど、そもそも紀左衛門自体が、いいパンチをもらったらドーンと倒れちゃって、ゾンビファイトすらできない、気持ちも見せられないような選手じゃないですか。なのに、何を偉そうに人の試合に割り込んで入ってきて、偉そうなこと言っとんねんと思って。これ、ちょっと書いといてください!
──相当お怒りですね。
塚本 この試合が話題になってないから、映像を作る側も紀左衛門にしゃべらせた方が楽だし、そうやって注目させようみたいなのもあるとは思うんですけど、岩﨑も、横に有名人を置かれて煽りVを撮影されてる危機感に気づけよって思うんですよ! でもそれよりも、横からしゃべりまくってくる紀左衛門に腹が立って! それもあるので、ホントにぶっ倒しますよ!
──お怒りは十分、分かりました(笑)。ありがとうございました!