王者・寺田匠、新美貴士へのリベンジ&初防衛狙う「めちゃくちゃ強いチャンピオンになりたい」=2.9K-1MAX代々木第二
寺田は、23年11月にイタリアの「OKTAGON」のISKA世界スーパーフェザー級タイトルマッチでミルコ・フルメリをTKOで下し、王者に。24年2月は「RIZIN LANDMARK 8 in SAGA」で冨永武聖から1RTKO勝ち。team VASILEUSへ移籍後、7月に兼田将暉を判定で破り、軍司泰斗に対戦アピールしタイトルマッチを実現。9月に軍司のタイトルへ挑戦して、延長判定勝ちを収めて新王者となった。今回、23年6月に唯一負けている新美とのリベンジマッチとなる。
新美は、20年9月に第5代Krushフェザー級王座決定トーナメントに出場して優勝。21年2月、斗麗と対戦してリベンジ&初防衛に成功。9月のK-1で軍司泰斗に敗れたものの、12月のKrushで篠塚辰樹をKOで沈め、3度目の防衛に成功。22年5月は玖村修平に敗れて、Krushフェザー級王座を失った。23年3月RISE有明大会にK-1×RISE対抗戦のメンバーとして参戦し、門口佳佑に判定負け。6月に寺田匠から勝利も10月は稲垣澪に敗北。24年7月に竹内 将生、11月に大脇武からKO勝利した。
「2人とも僕の年下なんです。これまで僕が一番下だったんですけど、負けてられないなと思っています」
――仲間ですが、ライバルでもあるんですね。スパーリングは?
「今回の相手がサウスポーなので、まだやっていないです。互いにミット打ちとかを見ながら、それぞれの特長を知っていく感じです」
――ジムの雰囲気はいかがですか?
「練習は厳しいですけど、楽しくやっています」
――与座優貴選手は、寺田選手が練習前に暗い顔でジムに入ってくることを笑って振り返っていました。
「やっぱり練習はキツイっすね。手を抜こうと思えばできますけど、立場が立場ですし、身体が疲れていないと寝れないですね。疲労はめちゃくちゃありますので、毎日が憂鬱です(苦笑)」
――武尊選手を筆頭に、野杁正明選手、松倉信太郎選手、与座選手とトップファイターが揃っていますので、練習がどれほど過酷なのか何となく想像ができます。
「でも、(渡辺)雅和さんとのマンツーマンのパーソナルみたいな感じなので、ミット打ちが一番キツイです」
――それは、量をこなすのが大変ということですか?
「ミットを持った雅和さんが圧をかけてきて、本気で攻撃してくるんです。普通のトレーナーだと、そこまでやったら身体が壊れてしまうのでやらないと思いますけど、雅和さんはすべて本気でやってくれます。自分が何もしていない時は、どこを攻撃してきてもいいよと言ってくれて。雅和さんのミット打ちは実戦的なので、正直、スパーリングをしていなくても試合ができるレベルです」
――三日月蹴りで防具が壊れている姿も見ました。トレーナーが人間サンドバッグになって身を削ってくれているんですね。だからこそ手を抜けないと。
「はい。こっちもキツイですね」
「軍司選手とか兼田選手に勝っても、新美選手には負けているとか言われるので。でもタイミング的にレベルが違うとか思っていますけど、負けているのは事実なのでオファーを受けました」
――新美選手に負けているという過去が、心に引っかかっていたのでしょうか。
「正直、そこは見ていなかったんです。でもオファーが来たから受けて。やる相手もいなかったので」
――前回の新美選手との試合は、2回ダウンを奪われての敗北でしたが、トラウマになっていないと。
「あの時は無敗で調子に乗っていて、練習に身が入っていなかったです。でも、あの負けがあって今はめちゃくちゃ練習をしていますし、新美選手に強くしてもらった感じですね」
――もう一回戦ったらどうなりますか?
「勝たないといけないという感じです」
――互いの立ち位置は変わりましたが、圧勝できますか?
「圧勝します」
――苦手意識は?
「ないです。キツイ戦いになるのは分かっています。相手も必死になってくるだろうし、人はそう簡単に倒れないので。キツイ試合になるのは覚悟していますけど、絶対に負けないです」
――新美選手は前に出てきて圧をかけてくると思います。
「それが新美選手の強さなので、違うところで僕が圧勝します。あれしかないですから」
――先ほど、相手がいなかったから受けたと話していましたが、軍司選手はSNSでタイトルマッチは負けていなかったと対戦要求していました。
「ただの負け惜しみです。気にしていないです、俺の勝ちなんで。それにリベンジマッチになったところで、ファンは見たいと思わないです」
――ただ寺田選手は、SNSで受けて立つような発言をしていましたよね。
「あれは、いつでも受けて立ちますよということです。タイミングが来たらということで、あなたとやりましょうとは言っていません」
――たしかに、そうですね。軍司選手は「よし12月にやろう」と盛り上がっていました。
「兼田選手とやりたくないことが、みえみえですね(笑)」
――なぜ、軍司選手が兼田選手とやりたくないと分かるのですか?
「苦手なんじゃないですかね、サウスポーでポイントを取りに来る相手が。分からないですけど。兼田選手は地味に強いので、やりたくないタイプですから」
――兼田選手はやりにくいタイプなんですか?
「僕とやった時は、あまり攻めに来なかったですね。攻めて来ることを想定して、いろいろ用意していたんですけど、使わなかった技が多かったです」
――おそらく寺田選手を警戒していたのでしょうね。今大会では兼田選手と玖村修平選手が対戦しますが、どう見ていますか?
「兼田選手が9.5割の確率で勝つんじゃないですかね」
――残り0.5割は?
「格闘技は何があるのか分からないですから。その確率です」
――つまり、それだけの実力差があると。
「普通に自分からはそう見えます」
――兼田選手が勝った場合、タイトル防衛に成功すれば対戦要求をしてくる可能性もありますね。
「それもタイミングですね。ファンが本当に見たいと思って、K-1がそれを推してくるならば考えますけど、その時の状況次第です。あとは、フェザー級で試合ができなくなってきているので階級を上げることも考えています」
―――毎回、どのくらい減量しているのでしょうか。
「12、13kgですね。水抜きを5kgくらいやっているんで。試合前の体脂肪率は7%なので筋肉がある分、体重は落ちやすいです。フェザー級でやる相手がいなくなれば、タイミングで階級を上げることを考えています」
――体重も含めて相手がいなくなるから、階級を上げると。海外の選手との対戦は?
「やってみたいですね。でも60kg以下になると世界の団体を集めてもK-1が一番強いと思うので、どうしても日本人との対戦になるのかもしれません」
――最後に理想のチャンピオン像があれば教えてください。
「めちゃくちゃ強いと言われたいです。僕は今チャンピオンですけど、もう一回、軍司選手とやったらどうなるか分からないと思われるのは嫌なので、そこの壁を越えたいです。VASILEUS GYMは、みんなめちゃくちゃ強いチャンピオンばかり集まっているので、自分も早くそのレベルまで行きたいです」