“絶対王者”金子晃大、今大会テーマ『闇のゲーム』を語る「敗れたら闇に喰われる状態に、僕はいる」=12.14代々木第一
金子は22年2月にK-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントで黒田勇斗、璃明武、決勝で玖村将史を破りK-1王座戴冠。6月「THE MATCH 2022」ではRISEの鈴木真彦に惜敗も23年9月に玖村将史との3度目の対戦で判定勝ちを収め、王座防衛に成功。24年3月は、RISEのリングに乗り込み鈴木真彦を破り、リベンジを成し遂げた。7月は-55kg世界最強決定トーナメント一回戦でカン・メンホンを衝撃KO勝ち。9月の準決勝は璃明武から判定勝ちを収めると、決勝では大久保琉唯をKOで仕留め、世界最強トーナメント優勝を成し遂げた。
対するジクレーブは、ONEのキックボクシングルールで暴れてきた“ロシアンボンバー”。ロシアやヨーロッパのムエタイタイトルを持ち、2020年11月にONEへ参戦すると中国のワン・ジュングァンから判定勝ちを収めた。左右に構えをチェンジしながら飛び込みのフック、右の強烈なキックを武器に爆発的な攻撃をするのが特長。KO数は少ないが、強固なディフェンスを誇るテクニシャンタイプだ。
「2個タイトルを持っているチャンピオンになったので、だからこそ強さを見せたいですね。もっともっと強くなっているところですね、それを見せたい。そのためには、試合で証明しないといけないので。やっぱり試合でしか伝えられないことがありますから」
――自ずと伝わるような感じですか?
「自ずとというか、伝わる試合をしたいです。感じ取れるような」
――今回の対戦相手となるジクレーブ選手は、どんなイメージがありますか?
「結構、身体が強くてタフですね。でも技術がないわけでもないし、だからここをしっかり倒すと、より強さが分かりやすいんじゃないかと思います」
――対戦相手の対策は?
「やってみないと分からないですけど、イメージはしています。自分の中を仕上げて、やっていく感じです。王者としても、選手としても」
――この相手を倒せば、敵がいなくなるイメージですか?
「そんなことはないと思います。呼べば、まだいると思います。今は、相手のことしか考えていないですね」
――ONEで戦っていた選手が相手です。
「そうなんですか? よく分からないですけど」
――モチベーションを保つのは大変だと。
「大変? というか、やることを無でやる感じです」
「もちろん、今も“無”でやっていますよ。無でやらないといけないところがあるので」
――会見では、今回のテーマを“闇のゲーム”と言われていました。
「そうですね。敗れたら闇に喰われる状態に、僕はいるので。闇のゲームが始まったんだなという感じです」
――今回から始まったんですか?
「いえ、今年に入ってからです。負けたら闇に喰われるだけの試合をしてきたので」
――敗者は去るのみということですか。
「そうです。敗者は闇に喰われていくので。目に見えないんですけど、実際に死ぬわけではないですから。負けたら次とか言うじゃないですか。でも、実際はすでに闇に喰われているんです。大きなところで負けると。負けてもう1回という場合もあるけど、今の僕は闇に喰われる状況にいます」
――恐怖は?
「恐怖はないです。そういう次元ではないです。もう何回、闇のゲームをやってきたかという話なので。慣れましたね」
――楽しんでいる?
「楽しむ状況もあるかもしれない」
――キャリアを積んでいるからですか?
「それは分からないです。でも、それを乗り越えるから見ている人も、感動が生まれるんです。互いに背負っているものがあるので。負けたらそれを失い、闇に喰われていく。それを含めての格闘技なので」
――快感がある?
「それもありますし、その状態の方がより伝わりますよね。極限状態なので。闇のゲームを乗り越えることで、伝わることがある。簡単に乗り越えられることでは伝わらない。こっちの方が、より伝わる」
――ファンのため、自分のため、どちらですか?
「両方ですね。一番は自分をどこまで高めることができるかが、格闘技をやっている理由です。でも自分を高めることには限界がある。ファンの人とか、周りの人を背負って戦うのは無限にあります」
――では最後に独特の感性を持つ金子選手に、趣向を変えて一問一答形式でお願いします。
「分かりました」
――強さとは?
「優しさです」
――王者とは?
「うーん、無ですかね」
――K-1とは?
「僕がデビューした団体」
――格闘技とは?
「真理」
――敗北とは?
「闇です」
――夢とは?
「なんだろう……、よく分からないです」
――愛とは?
「愛って何なんでしょうね」
――未来とは?
「過去と今です。過去があるから続いている」
――ファイターとは?
「ファラオです」
――ファラオ?
「エジプトのファラオです」
――人間・金子晃大とは?
「それ、一緒じゃないですか。ファラオです」
――ファラオとは、どういうことですか?
「詳しく言ったら意味ないです。一言でというので、そういっただけで、ファラオはファラオです」
――2024年とは?
「3000年の戦い」
――3000年?
「一言なんで」
――分かりました。ありがとうございました。