12月8日(日)後楽園ホールで開催される「Krush.169」の[Krushライト級/3分3R・延長1R]に出場する伊藤健人選手のインタビューを公開!
──今回は7月の王座陥落からの再起戦になります。あの試合の後、今回の試合が決まるまでにはどんなことを考えましたか?
伊藤 大岩戦の前まで5連勝していて、その中で勝ち続けていた時の練習と同じようにやってきたのに、負けたのは何でなんだろうという原因から追求して、勝つ理由も分かっていたのに負けてしまった理由を探していたら、やっぱり自分に原因があったので、そこのミスであったり負けた要因となった点を自分で考えて、あとジムの代表から言われたことを受け止めて、それを課題にやってきた感じですね。
──その負けた理由というのは、もう自分の中で明確に分かった感じですか?
伊藤 そうですね。できていなかった点が、試合後映を像見て分かったので、いろんな要素があると思うんですけど、そういう目に見えるミスを一つずつなくしていったという形ですかね。
──その上で児玉兼慎戦が決まってからは、どのように練習や対策を?
伊藤 チャンピオンになる前もそうですけど、チャンピオンになってベルトを失って、一戦一戦の重みが変わってきているというか……変わらない、変わらないと言っていても、やっぱり前回の一戦よりも、今回の一戦という風に、一つずつ重みが変わってくるというか、本当に一戦一戦、全てをかけるつもりでやっていく形になってきていると思います。そういったマインド面というか、気持ちの面では、より強くなってきたかなと思います。
──改めて、児玉選手の印象は?
伊藤 大きい勝利を成し遂げてから、ケガを経ての再起戦だと思うんですけど、僕が再起戦で、向こうがケガ明けの試合になりますよね。ただ前回、元チャンピオンの瓦田選手に勝っているので、自信をつけて勢いよく来るのかなとは思っています。勢いがある選手だなと。
──ここに警戒しなきゃという点は?
伊藤 試合映像を見て、一つひとつの技自体は警戒する点もあるんですけど、一つはその波に乗ってるところじゃないですかね。
──カード発表会見でも、児玉選手からは自信の発言が目立っていましたが、どう感じましたか?
伊藤 むしろ僕は、前回の試合前とか、あとはマイクとかではもう少し勢いがあると思っていたので、この試合の会見ではそこまでの勢いは感じなくて。以前の方があったのかなと、ちょっと感じました。
──その会見の際、伊藤選手からは「その勢いあるからこそ、自分としてはやりやすくなる」というような発言がありましたが、もう少し具体的に言うと?
伊藤 本当に実力がある選手で、強さもあると思いますし、勢いに乗っているとは思うんですけど、技術的な面ではなくて、まだ知らない部分がちょっと多いとは思うんですよね。なので、その勢いが仇となるような形に僕がハメていければなと思っています。ただ、この前の会見でも、思ったよりちょっと落ち着いているのかなとも感じたので、そういう風に想定と違うパターンになっても、僕が勝てるように準備しています。
──そこは、自分と相手の重ねてきた経験の差によるところが大きい?
伊藤 はい、そこは感じています。試合に対してもそうなんですけど、自分が自分のことをよく理解できてきているので、その面での自分への対応力は上がってきているなと感じますし。そういった中で、自分をより理解しながら戦えるかなとは思っています。
──今年最後の試合になるかと思いますが、ここで勝って来年はどうしていこうと思っていますか?
伊藤 まずは、この前負けてしまってからの、年内の再起戦で僕が勝利する試合が決まったので、ここで必ず勝利を飾って、2025年は、僕はライト級がK-1 GROUPの中心に来るのかなと思っているんですね。だから、その中心に来るライト級の中で、より中心、トップに行きます。
──その会見の際、宮田充プロデューサーから「来年、ライト級で考えていることがある」という発言もありましたが、そこについては?
伊藤 本当にそのための試合だと思っていますし、ここ3大会のKrushはどれもライト級がメインだったり後半に組まれていますよね。自分自身、その意味も意図も分かっていますし、そのためにもここでの勝利は絶対で、来年自分がどういう立ち位置で進んでいくかということを証明できる試合だと思っています。
今回、最終的にこう勝ちたいというビジョンはもう明確に見えていますか?
伊藤 そうですね。やっぱりKrushという舞台で戦わせていただいている以上、倒すか倒されるか……今回に対しては、「倒す」しかないんですけど、お客さんが沸くような、ワクワクするような試合になる気がしていますし、必ず僕が倒して勝ちます。
──去年から今年にかけては、連続KO勝利でタイトル獲得を経験されました。それを経て、「倒して勝つ」ということへの意識についても、かなり変化は大きいのでは?
伊藤 それはだいぶ変わりましたね。倒して勝つ前から、そういう意識については変わっていたんですけど、それが試合の結果として表れるのはその後だったので、結果として表れてみると、KOで勝つと“その後”もかなり変わるなと思ったんですね。これでこそプロの試合なんだなというのを自分でも体感したので、これからもそれを見せていきたいですね。
──“その後”が変わるというのは?
伊藤 応援してくれる人たちもそうですし、Krushを見てくださるお客さんたちからも反響が大きくて、一つの試合をする意味というか、それがお客さんに伝わる試合ができるのは、やっぱり倒し倒すされという形なのかなというのが実感できました。これこそこの舞台で戦っている意味というか、選手の価値なのかなということを、自分で理解するようになりました。
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますでか?
伊藤 自分は一戦一戦、全てをかけている状況で、今回の試合に関しても、前回よりも大きなマインド、気持ちでぶつかっていきますし、必ずそこから「倒して勝つ」ということをゴールにしていくので、ぜひお客さんにも注目していただいて、Krushの年内最終興行を見に来てください。
──分かりました。ありがとうございました!