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「K-1 WORLD MAX」7.7(日)代々木 史上初のK-1&ボクシング世界2冠!武居由樹が-55kgトーナメント全試合を決勝まで完全予想!

「K-1 WORLD MAX」7月7日(日)代々木大会で幕を開ける「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」。1回戦勝ち上がりのゆくえに注目が集まるなか、5月6日の東京ドーム戦で見事WBO世界バンタム級(-53.52㎏)王座を奪取し、史上初の“K-1&ボクシング世界2冠”を成し遂げた武居由樹選手(大橋ジム/27)のキャッチアップに成功。世界戦の心境や今も抱き続ける“K-1愛”、そして気になる-55kg級トーナメントの優勝予想まで、たっぷり語ってもらった。


――WBO世界バンタム級の王座戴冠おめでとうございます。まずはボクシング世界チャンピオンとしての実感をどうお感じになっていますか。

「やっと世界チャンピオンになれたというのは少しずつ感じてきていて。K-1の2020年(12月13日)両国大会の時にK-1ファンみんなの前で言った「ボクシングの世界チャンピオンになります」という約束を果たせたのは本当によかったかなと思っています。」

――ボクシング世界戦を戦った東京ドームの舞台はいかがでしたか。

「入場から本当にみんなからの歓声がすごくて、すごいパワーにもなりましたし、 本当に景色は最高だったんですけど、リングに上がるとけっこう普通に、いつも以上に集中できて試合もすることができたのでよかったなと思います。」

――現在所属する大橋ジムには、誰もが知る井上尚弥選手という偉大な選手がいらっしゃいます。同じ場所でトレーニングできている今の環境についてはいかがですか。

「ジムの練習でも尚弥さんが来るだけで緊張感がもう…空気が一気に変わるんですけど、そういうのを肌で感じたり、世界最高峰の選手の練習を間近で見られたり、もちろんマス(スパーリング)だったり練習をさせてもらうなかで、「まだまだ自分は全然なんだな」というのも感じますし、もっと尚弥さんに近づかなきゃなとか…いろいろ考えますね。」

―K-1で世界チャンピオンになって、今回ボクシングのチャンピオンにもなりました。環境やファン層などはそれぞれ違うと思いますが、見える景色も違いますか?

「そうですね。やっぱり競技としても全然違うんだなって最近は本当に感じますし、見ている方もまたちょっと違うんですけど、K-1のよさとボクシングのよさはまた別だなとも感じますね。」

――ここからはK-1についてお伺いしたいと思います。K-1を離れて約4年が経ちますが、外からはどういう思いでK-1をご覧なっていましたか?

「自分がいた時代の選手たちがだんだん離れちゃったりしたので、盛り上がりは少し欠けるのかなと思うんですけど、そのぶん若い選手たちがたくさん出てきたので、ここからまた楽しみだなというのが率直な思いですね。」

――あの頃しのぎを削った選手たちは、けっこう外へ出ていますか。

「そうですね。MMAなど他の競技に転向したり、違う団体に行ったりとか色々あると思うんですけど。でも若い選手がたくさん出てきたのは逆によかったのかなと思いますね。」

――自分が育ったK-1だけに、やはりいつまで人気の競技・ブランドであってほしいという思いはありますか。

「そうですね。あとは古巣であるパワーオブドリームの選手もたくさん出ているので、やっぱりどんどんK-1ファイターみんなで盛り上げてもらいたいなという思いがあります。」

――ボクシング世界王者になった現在、改めて武居選手にとってK-1はどういう存在でしょうか。

「僕は本当にK-1に育ててもらったと思っていて、K-1がなかったらきっとまだボクシングの世界チャンピオンにはなれていなかっただろうなと思うので、本当にK-1には感謝しかないなという思いです。」

――K-1での選手としての日々は、今のボクシングにどのように役立っていますか。

「今回も東京ドームという大きな舞台で試合をしたんですけど、K-1でも、さいたま(スーパーアリーナ)でやったり、両国(国技館)でやったりとか、ああいう経験が本当に生きてきたと思いますし。K-1チャンピオンという肩書きでボクシング界に入ってきたので、最初の頃はやっぱりちょっと敵対視されていましたけど、でも全然「俺はK-1チャンピオンなんだ」という自信でボクシング界に来ることができたので、本当にK-1には感謝ですね。」

――ボクシングとK-1では相手との距離が全く違うとよく言われますが、やはり最初は戸惑われましたか。

「そうですね。(ボクシングに)転向する前は、ただ蹴りがない競技だけだと思っていたんですけど、やっぱりやればやるほどボクシングも深いですし、でもK-1の時のあの距離感で今も戦っているので、逆にそれが僕の武器にはなっていますね。」

――今日は-55kgトーナメントのお話を伺いますが、その前に全階級のなかで特に注目しているK-1選手はいますか。

「やっぱり、どうしても前のジムのパワーオブドリームの選手たちに頑張ってもらいたいなと思っていて。元K-1チャンピオンの江川(優生)だったり、岩尾力だったり、中島千博だったり。もっともっと、下にも若い選手がたくさん出てきたので、彼らがどんどん、どんどん、もっともっと上に行ってほしいなという思いですね。」

――やはりパワーオブドリームの後輩たちは気になりますか。

「気になりますね。自分の試合前ではない限り、なるべく応援にも行かせてもらっているので、注目していますし楽しみですね、彼らが。」
――さて、7月7日に『K-1 WORLD MAX』で-55㎏の世界トーナメントが開催されます。第2代K-1スーパーバンタム級王者として、まずこの階級を世界的に見てどうとらえていますか。

「海外の選手も強いんですけど、それよりもやっぱり日本人選手が若い選手も含めて本当に強いので、日本人の層が厚い階級だと思っています。」

――3月の『K-1 WORLD MAX開幕戦』で-70㎏トーナメントの1回戦が行われましたが、日本人3選手が全員敗れました。かつて魔裟斗さんが活躍されましたが、日本人にとってはなかなか難しい階級になっています。その意味でいえば、-55㎏は負けていない?

「そうですね。比較的日本人選手が活躍しやすい階級ではあるのかなと思います。」

――ファンとしては「55㎏は日本人最強だ」というところを見せてほしいなという思いもあります。先輩としてはいかがでしょうか。

「70㎏は本当に、重くなればなるほど海外の選手層ってすごく厚いと思うんですけど、 でもこの55㎏のスーパーバンタム級からフェザー級ぐらいまでは、やっぱり日本人に頑張ってもらいたいという思いですね。」

――今回の-55㎏の世界トーナメントのなかで、まず注目のカードをあげるとしたら?

「やっぱり玖村将史選手とアントニオ・オルデン選手の試合ですね。僕、両方とも戦っているんですけど、玖村選手はたぶん僕が今までK-1ファイターとやったなかで一番スピードがあった選手で、逆にアントニオ・オルデン選手は最初にスーパーバンタム級王座決定トーナメントに出た時に1回戦で戦ったんですけど、すごく懐が深くてやりにくい選手だったんですよ。2人ともすごく強い選手なので、どっちが勝つんだろうなって。」

――2017年4月の『K-1 WORLD GP 第2代スーパー・バンタム級(-55kg)王座決定トーナメント』の1回戦でオルデン選手と対戦した時は、3ラウンドまでかかりました(3R 2分31秒 KO勝ち)。

「けっこう苦戦しましたね。サウスポー同士で左ハイキックが首の後ろのほうに巻く感じで入ってきて、それが1回効いたのは覚えています。(オルデン選手は)けっこう待ちの選手なんですけど、こちらがしっかり入りきらないと全然展開を作れず、判定でズルズルと持っていかれちゃう可能性もあるなと思います。」

――玖村選手は昨年9月に金子晃大選手に敗れていますが、そこから気持ちを立て直し、今回は決勝で金子選手にリベンジすることを目標としているようです。そんな玖村選手のメンタルを武居選手はどのように推測しますか。

「玖村選手はもう絶対に負けたくないという気持ちが絶対にあると思うので、絶対に決勝で金子選手にリベンジしたいという気持ちがあると思います。今、金子選手とは3戦していますよね? だからここで勝って、今度もう1回タイトルマッチという思いが強いと思うので楽しみですね。」

――一方で、金子選手は現チャンピオンながら、肩書きなどは気にしていないかのように1回戦から出場します。そんな金子選手をどう評価していますか。

「僕もチャンピオンの時に世界最強決定トーナメントに出たことがあるんですけど、チャンピオンとしては勝って当たり前、優勝して当たり前と思われているので、相当プレッシャーはあると思います。だけど、たぶん(金子選手は)そういうのをあまり気にしなさそうなので、メンタルはすごく強いだろうなと。あとは「全試合KOで勝って目立つ」という思いもあるんじゃないかなと思いますし。金子選手のパワーは本当にすごいと思うので、全試合KOも全然ありえると思うので楽しみですね。」

――エントリー選手8人を見渡して、チャンピオンの金子選手の実力が抜けている印象はありますか。

「やっぱり頭ひとつ抜けているのかなと思うんですけど、でも他の日本人選手も海外の選手もみんなが強いので、 けっこう予想はしにくいカードなのかなと思いますね。」

――前回戦ったオルデン選手もそうですし、最近で言えば中国勢がかなり力をつけてきています。

「ああ、中国の選手はやっぱりみんな強いですよね。この前も(リュウ・ツァー選手が)優勝したりしていたので、けっこうみんな強くて侮れないなと。大久保選手は-55kgの1発目ですもんね。けっこう難しい展開になるんじゃないかなって、予想的にはそう思いますね。」

――中国人ファイター、ジャオ・ジェンドンと対戦する大久保琉唯選手にとっては期待を受けての抜擢。19歳同志の対決ですが、厳しい戦いを強いられるかもしれません。

「そうですね。でも、若い同士だと気持ちもお互い強いと思うし、すごく気持ちの見える試合になるんじゃないのかなと思いますね。」

――金子選手の相手のカン・メンホン選手は「カンボジアのムエタイ」と言われるクンクメールの世界王者です。クンクメールはご覧になったことはありますか。

「いや、ないですね。でも、110何戦もされている選手なので、経験も豊富なんだろうなと。 経験が多い選手は、やっぱり侮れないですよね。」

――クンクメールvs金子選手のパワー。どんな対峙になると予想しますか?

「なんだかんだ言っても、金子選手のパワーで押し切って…これもちょっと自分の理想ではあるんですけど、やっぱり金子選手がパワーで押し切って倒すという展開になってほしいなという思いですね。」

――武居選手はトーナメントを何度か経験されています。今回は開幕戦1試合、9月9日に準決勝&決勝というスケジュールですが、ワンデーで複数試合をするトーナメントの難しさは?

「まず、怪我をしないように試合を運ぶこと、早く倒すこと。あと、どうしても次の対戦相手がどちらが来るか分からないので、戦略とかもすごく難しいんですよ。そこが一番難しいですかね。 1回戦目をちゃんと対策するのはもちろん、2回戦目も考えなきゃいけないので。あとは(勝ち上がると)やっぱり1日じゅう集中しなきゃいけないので、けっこうキツイですね、ワンデートーナメントは。」
――こころからは、難しいとは思いますが武居選手のトーナメント予想を聞いていきたいと思います。

「オス!」

――まず大久保琉唯vsジャオ・ジェンドン(中国)の一戦は?

「ジャオ選手の試合も見たんですけど、大久保選手がテクニックで勝ち切れるんじゃないのかなと思うので、1回戦目は大久保選手が突破すると思います。」

――続いて玖村将史vsアントニオ・オールデン(スペイン)。武居選手は両選手との対戦経験がありますね。

「これ、けっこう難しいですね。たぶん玖村選手の試合の入り方によって展開が変わるんだろうなと思っていて。最近、玖村選手はけっこう足を止めて打ち合うスタイルですけど、オルデン選手は距離を取りながら戦うので。うーん、でも玖村選手はスピードでオルデン選手を倒すんじゃないのかなと思いますね。」

――続いて璃明武vsアンジェロス・マルティノス(ギリシャ)。マルティノス選手はスピードがありますね。

「そうですね。以前、軍司(泰斗)選手と戦って(2023年9月10日『ReBOOT~K-1 ReBIRTH~』判定0-2)、けっこうタフでパワーもあった選手なので。うーん、ここはちょっと、あえてマルティノス選手に勝ってもらいたいなって。全員日本人より外国人選手にも活躍してもらいたい気持ちもあるので。」

――では最後に金子晃大vsカン・メンホン(カンボジア)の勝敗予想を。

「これはもう金子選手ですね。金子選手は負けちゃいけないと思うんですよ、僕的には。絶対に負けないでほしいという思いもあるので、金子選手のKO勝ちで。」

――引き続き準決勝の予想をお願いします。まず、大久保選手vs玖村選手は?

「そうですね…大久保選手も上手いんですけど、55㎏の体はちょっとまだできていないと思うので、やっぱり玖村選手かなぁと思います。」

――続いて準決勝のもう1試合、金子選手vsマルティノス選手は?

「これ、すごいバチバチに打ち合いますね。打ち合い、削り合いの試合になると思います。でも、 ここもやっぱり金子選手が打ち合いのなかで勝ち切るんじゃないのかなと思いますね。」

――さあ、そして決勝戦です。玖村選手と金子選手の決勝はどんな戦いになりそうですか。

「これは…チャンピオンとしての気持ちで金子選手に勝ってもらいたいんですけど、(準決勝の)マルティノス選手との打ち合いで、ちょっとダメージが残るなかでの試合で、玖村選手が勝つというストーリーもちょっと面白いんじゃないかと思うので、玖村選手の優勝予想を今回はさせてください」

――玖村選手にとってはリベンジになりますね。

「リベンジですね。これで4回目ということですよね。それで、最後にもう1回、5回目を。」

――今回、玖村選手が勝てば2勝2敗になりますからね。

「(5回目を)見たいという気持ちもありますけどね。」

――難しい予想にお答えいただきありがとうございました! K-1出身のボクシング世界王者として、これからのK-1、そしてK-1選手に期待したいことは?

「やっぱり、もっともっとK-1が盛り上がってもらわないといけないなっていう思いもあるし、K-1ファイターみんなが、もっと…何だろうな。自分がいた頃って、埋もれないように自分の色をみんなが出していたんですけど、最近のK-1ファイターがある意味、他人任せ のようにすごく感じるので、みんながもっと、どんどん自分をアピールしていってほしいなと。そうすれば、あの頃以上にもっともっとK-1が盛り上がるし。自分的に、最近はKrushに出ている選手たちのほうが、ハングリー精神じゃないけど「やってやるぞ」という気持ちを感じるので、Krushの選手がK-1に上がってきて、またどんどん、どんどん、みんなで切磋琢磨してもらって、もっともっと盛り上がってくれたらなっていう思いがありますね。」

――叱咤激励ですね。

「すいません!生意気に(笑)。」

――とんでもないです。武居選手から見ると、今の選手たちがおとなしく見える?

「そうですね。あの頃のほうが…というのは、やっぱりちょっと感じちゃうんですよ。自分も(K-1を)出た身であれなんですけども。あの頃のほうがみんなが盛り上げようっていうのを感じたので、 もっと「みんなで」っていう気持ちがあればいいのかなって。あと、最近どのカードを見ればいいのかなっていう試合が多いのかなと思うので、みんなが見たくなるようなカードがどんどん増えていけばいいなと思います。」

――ファンが見ていても「どちらが勝つんだろう」と予想するのが格闘技の楽しさ、面白さですよね。

「その点で、もっとみんなでどんどん、どんどん盛り上げていってほしいなと思います。」

――武居選手のなかではボクシング世界王者となった今も、元K-1ファイターとしての誇りを持ち続けている?

「そうですね。K-1出身という誇りと、あと、僕はK-1愛がすごく強いので、「みんなで」という気持ちはありますね。K-1を出ていった人たちも、みんなでまた格闘技界を盛り上げていきましょうっていう気持ちかなと思います。」

――再びご自身のお話に戻ると、現在バンタム級には武居選手を含めて世界王者が4人。その上のスーパーバンタム級には4つのベルトを独占している井上尚弥選手がいます。そんな環境のなかで、武居選手のこれからのボクシング界での目標は?

「日本人選手はみんな強いし、僕はバンタム級のチャンピオンのなかでも、まだ一番下なんだろうなという思いがあるので、上にいる人たちも食っていけるような選手になっていかなきゃいけないし、あとはやっぱり、どんどん、どんどん防衛して自分の価値も上げていかなきゃいけないとか。目標はいろいろ、たくさんありますね。」

――最後に、K-1を支える多くのファンに武居選手からメッセージをお願いします。

「僕は今、ボクシングで頑張っていますけど、K-1ファイターみんなが頑張っていくと思うので、ぜひK-1も楽しんで見てもらいたいなと思いますし、ボクシングもK-1のほうも全部応援してくれたらなと思います。」

――素敵なメッセージをありがとうございました。
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