「Krush.148」4.28(金)後楽園<インタビュー>寺島輝「自分は近道してここまで来たとは思っていない。ここまでの色んな経験が試合に出ると思います」
――一回戦の蓮實光戦は蓮實選手の強打を封じての判定勝利でした。あの試合を振り返ってもらえますか?
「あの試合は作戦勝ちだったかなと思います。トレーナーを依頼しているWIZARDのBOSS(田邊会長)と作戦を立てていて、今回は無理していくなと。はがゆい試合ではありましたが、結果を出すことが大事だったし、そういう意味では作戦通りに戦えたと思います」
――昨年6月のKrushスーパー・ライト級タイトルマッチで佐々木大蔵選手に敗れてからの再起戦がトーナメント一回戦ということで、きっちり勝つことがテーマだったのですか?
「そうですね。いい攻撃が入っても深追いはしないで“勝ち切る”作戦で。僕も過去に一発もらってひっくり返されたトラウマがあるんで、それを払拭したいという気持ちもありました」
――先ほど話にあったように寺島選手はWIZARDの田邊会長の指導を受けていますが、きっかけは何だったのですか?
「オランダのMike's Gymで練習している時に斗麗と一緒になって、WIZARDやBOSSの話を色々と聞いたんですよ。で、うちのオヤジも格闘技好きで、BOSSとオヤジとかぶるところがあったり、格闘技に対するマインドが似ているんですよね。技術とか作戦はもちろん、格闘技への熱量が同じというか。試合が決まると京都で練習するんですけど、練習含めてずっと一緒にいて、練習でも試合でも背中を押してもらえる存在ですね」
――改めてMike's Gymでの長期合宿を決めた理由は?
「苦手なことを払拭するというのが一番ですね。自分の苦手なところをつぶして、得意な分野を伸ばすためには、まずそこをやらないとと思って」
――とはいえ単身海外にわたって合宿というのはハードルが高いですよね。
「しかも一カ月くらい行ってたから逃げ場なしですよ。実際、最初のスパーリングでいきなり鼓膜を破られましたから(苦笑)。でもそれで吹っ切れましたね。これはもうやるしかねえぞって」
――対戦相手の稲垣選手にはどんな印象を持っていますか?
「自分はいつも相手の試合はあまり見ない方で、試合前に少しはチェックしますけど、BOSSのことを信頼しているのでBOSSに見てもらおうかなと思います。イメージ的には上手い選手という感じで、自分が強くなれば勝てる相手だと思います」
――寺島選手は基本的にその考えで試合をしているのですか?
「そうですね。試合が決まったからといって、その試合に勝つためにやっているわけじゃないし、自分は世界一になるために強くなる・レベルをあげるために練習しているんで」
――稲垣選手のことはデビュー前から知っているんですよね?
「空手時代に一緒だったんですよ。うちの弟の想と同級生で、よく想と試合をしていました。小学校の頃から知っているので、大人になったなと思います」
――今回のトーナメントはどのように位置づけていますか?
「悪い意味じゃなくて通過点です。さっきも言いましたが僕は世界一になるために生きていて、このトーナメントで優勝するためにやっているわけじゃないですから」
――Krushのベルトにはどんな想いがありますか?
「自分は近道してここまで来たとは思ってなくて。無敗のまま大きい舞台に出るチャンスを掴んだと思ったら派手に負けたし、初めてベルトに挑戦した時も負けたし……そういう色んな経験が試合に出ると思います」
――もう一つの準決勝=塚本拓真vs小嶋瑠久はどう予想していますか?
「準決勝の試合がヤマだと思います。強いて言うならつながりがある(塚本)拓真と決勝でやりたいですけど……優勝することしか考えてないです」
――ファンのみなさんにどんな試合を見せたいですか?
「僕のことをデビューした頃から応援してくれる人って、試合に負けても離れることなく、ずっと応援してくれるんですよ。そういう人たちはもちろん、そうじゃない人たちにも何かが伝わる試合をしたいですね。決勝戦はメインイベントになると思うし、ただ勝つだけじゃなくて、メインを張るにふさわしい試合、見た人が何かを感じてくれる試合をしたいです」