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「K'FESTA.6」3.12(日)代々木<インタビュー>松倉信太郎「武尊が軽量級の道を切り拓いたように、僕もミドル級の道を切り拓く。ミドル級をもっと注目される階級にしたい」

 3月12日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K'FESTA.6~」の[K-1ミドル級/3分3R・延長1R]でYOHANと対戦する松倉信太郎のインタビューを公開!

──前回の試合は因縁の神保克哉戦でしたが、振り返ってみていかがでしたか?(9月のK-1横浜アリーナ大会、壮絶な打ち合いの末に松倉がKO負け)

「やられましたね。やられたというか、自分が思い描いていた結末じゃなかったし、本当に負けてしまったなという、それに尽きます」

──試合前は激しい舌戦もありました。決着がついてみてどういう心境ですか?

「負けは負けなんで悔しいですけど、どっちにしろやられたことは間違いなかったんで、それを踏まえて僕があのレベルだったんだなと感じました。本当にあの一戦で凄く学ばされましたね。僕もいい気になっていたわけじゃないですけど、あの試合まで連勝していて、いい意味でも悪い意味でも自分に自信を持ちすぎていた部分があったんで、そこに気付かされましたよね。当たり前ですけど、あんな姿をみんなに見せちゃって、自分的にも思うところはたくさんあるんで、しっかりやり返したいなっていう、それだけですね」

──神保戦の後で強化してきた部分とかはありますか?

「試合を見ていただいたら分かると思うんですけど、構図としては逆になったのかなと。僕は神保選手から『先生かよ!』と言われましたが、僕の方が大雑把というか、技術よりも気合いというか、頑張ればなんとかなるって試合をしていたと思います。それまでの試合でも殴り合って勝っていたので、そこに自信を持っちゃっていたというか。神保選手との試合も対策を練るよりも『ぶっ倒して勝つんだ』という気持ちが強すぎましたね」

――神保選手よりも自分の方が気合いスタイルだった、と。

「試合が始まった瞬間からめちゃくちゃ対策されているなというのを感じたし、ボクシング面でもジャブを打ってキレイに戦われて、僕はそれを被弾しまくっていたんです。今までちゃんとボクシングを習ったことはなかったんですけど、殴り方もちゃんとやらないとダメだなっていうのは凄く思ったし、神保選手はK-1という舞台・ルールにも慣れているじゃないですか。神保選手は“K-1ファイター”として強いなと思ったし、具体的に言えばK-1で戦っていく上でボクシングは強化しないとダメだと思ったので、そこは凄く変えているところですね」

──ただその神保戦は激闘となって評価も高く、結果的にはミドル級がスタートするきっかけになりましたよね。

「試合後にいろんな人に『いい試合だった』と声をかけてもらって。負けちゃったんで素直に嬉しいとは違うんですけど、あの日もファンのみなさんが選ぶ大会ベストバウトに選んでもらいましたからね。K-1という中でそういう評価をしてもらって、そこは素直に光栄だなって思ったし、ミドル級らしい試合を見せられたのかなって思います。まだミドル級のトーナメントがいつのタイミングで開かれるか分からないんですけど、僕は神保選手は必ず決勝に来ると思っているし、僕も何がなんでも決勝に行って、しっかりやり返せたら良いストーリーになると個人的に思っているんですよ。何よりも去年4月にK-1に戻ってきた時に『僕が来たんで75kg級ができますよ』って言ったと思うんですよね。それで神保選手が『何言ってんの?』みたいになったじゃないですか? でもそこに関しては『でしょ?』って言いたいです(笑)」

──確かに結果的にそうなりましたよね。

「好き嫌いはあると思いますけど『言った通りできたでしょ』って、そこは言いたいですね。ただ、一つだけ思うのは神保選手だけじゃなくて、ミドル級の選手全般に思うことなんですけど、僕でもK-1の中では凄く影が薄いんですよ。真ん中にいない選手だと自覚してます。なのにみんな自己発信がゼロみたいなのが『大丈夫か?』っていう想いが正直ありますね」

──これから階級をスタートさせるのに、選手の存在感が薄いと不安ですね。

「神保選手に負けちゃったんで、そこは『雑魚が何言ってんだ?』って言われたら、それまでなんですけど、ミドル級の発足に向けては、僕はどの選手よりも実際に動いてきたという自負があります。発言の面だけじゃなくて、K-1だって興行だから、ただ『階級を作ってください』と言っただけでできるわけではないし、そこに向けていろいろ動いて考えてきてやってきたんで、そこはちょっと他の選手とは違うのかなと自分の中ではありますね」

──他の選手のミドル級にかける想いには物足りなさがあると。そういう中で「K'FESTA.6」から本格的にミドル級がスタートします。対戦相手のYOHAN選手に関してはどのような印象をお持ちですか?

「9月の横浜大会で一緒に出ているんですよね。その時は僕の直前の試合だったんで見られなかったんですけど、ダニロ・ザノリニ選手と判定0-2までいってるので、普通にできる選手なんだなと思いました。確かあの試合前にSNSで僕とやりたいみたいなことを言っていたんですよ。それで記憶に残ってます」

──YOHAN選手もこれからミドル級ができて燃える部分があると思いますが、松倉選手もこれからスタートするミドル級で見据えているものがあると思います。そこを踏まえて、YOHAN選手とどんな試合をしたいですか?

「トーナメントとか言いたいことはいろいろあるんですけど、何を言うかよりも誰が言うかだと思うんで、負けちゃうと説得力がないじゃないですか。やっぱり勝って言うことが正解だと思います。勝つ=負ける選手がいるわけで、その負けた選手にも家族や応援している人とかいろいろあると思うし、そういう人の想いも背負って、目的を持って進んでいくべきかなと思っています。だから、今思うことはあるけど言える立場ではないし、まずはYOHAN選手に勝って、発言に説得力を持たせたいです。ミドル級では僕だけ30代なんですよ。だから早めにやってもらわないとちょっと持たないなっていうのがあるし、僕がK-1に来てから階級もできたんで、早急にトーナメントもやってもらえるように頭を使っていきたいなと思っています」

──先程、この階級はまだまだ影が薄いとおっしゃっていました。ミドル級は現在中心の軽量級と、存在感がある重量級との間に挟まれている階級ですけど、どういう階級にしていきたいと考えてますか?

「僕は日陰にいる感じに疲れていて、それが凄く嫌なんですよ。例えば服や発言は、何を着るかよりも誰が着るかだし、誰が言うかだと思うんで、試合でそういうのを見せていきたいなと思っていますね。ヘビー級やクルーザー級にしても、僕の中ではスタートから盛り上がっていたとは思っていなくて、階級ができてそこからストーリーができて盛り上がってきたと思うんですね。武尊が軽量級の道を切り拓きましたけど、僕もミドル級の道を切り拓きたいですね。軽量級は軽量級でスピードがあって、重量級は重量級で迫力があって、失敗したらどっちつかずになるのがミドル級なんですよね。でも、よく言えば両方あるのもミドルなんですよ。それをどっちに振るかだけの問題だと思うんですけど、それって天と地の違いがあるじゃないですか? 両方あるのかどっちつかずになってしまうのか? 僕はミドル級の魅力を試合でしっかりと見せていきたいと思うし、魔裟斗さんの時代は70kgでしたけど、ミドル級と呼ばれていてこの階級が花形だったと思うんですよ。その感覚を戻していきたいし、今までは軽量級が中心だったと思うんですけど、この75kg以上の階級も含めた重量級という部分でも、もっと注目が浴びられるようにしたいと思っていますね」
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