鈴木勇人、ヨードクンポンのタイトル挑戦「ラストチャンスだと思っている」松谷綺が女子アトム級トーナメント出場でRISE女王宮﨑小雪にラブコール!=2.9K-1代々木第二
2部構成の1部では、2つのタイトル戦を発表。まずは、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチで第7代王者ヨードクンポン・ウィラサクレックが鈴木勇人を向かえ初防衛戦を行う。また菅原美優の引退で空位となったK-1 WORLD GP女子フライ級王座決定トーナメントを4人のトーナメントで実施し、松谷綺の参加が決定した。
K-1の宮田充プロデューサーは鈴木をタイトルマッチに抜擢した理由を「前回のトーナメントではドクターストップで負けてしまいました。あの無念さを晴らしてほしいなと。来年1月に35歳になることもあり、鈴木君に任せたい」と期待をかけていることを明かした。
女子アトム級王座決定トーナメントは、「4選手によるトーナメントを考えています。外国人を候補に考えていますが、他団体の日本人で出たいという選手がいれば、立候補してほしい」と国内出場選手を1枠で用意したいという。他団体所属の日本人選手が王者になる可能性があることについては、「1年に1回防衛戦をしてくれればいいなと思います。世界と戦う上で、他団体の選手にも出ていただくのはいいのでは」と、とくに女子は門戸を開くことを伝えた。
各選手のデータと記者会見でのコメントは以下の通り。
ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)
vs
鈴木勇人(日本/K-1ジム五反田チームキングス)
ヨードクンポンは、ルンピニー、ラジャダムナンの二大スタジアムで活躍後、GLORYの-70kg世界トーナメントで優勝。23年にタイで開催のRWSでは8名参加のウェルター級王座決定リーグ戦に出場し、ファイナルへ進出。24年9月に開催された第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメントでは、カン・ピナール、イオヌット・ポパを連続KOで下し、決勝は稲垣柊を破り新王者となった。
鈴木は、19年1月にKrushスーパー・ライト級王座を松下大紀と争いKO勝ち。20年2月にKrushスーパー・ライト級王座防衛戦で佐々木大蔵に敗れて王座陥落。その後も激闘を繰り広げ、24年3月に卜部功也の引退試合の相手を務め判定勝利を飾った。24年9月の第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント一回戦ではイオヌット・ポパと対戦も、出血によるTKO負けとなった。
■鈴木勇人のコメント
――対戦が決まっての意気込み。
「率直にチャンスをもらえて嬉しく思います。前回は不甲斐ない結果に終わってしまいました。この試合にかけていたので、負けるようなことがあれば引退しようかなと思っていたんですけど、血が凄く出て負けてしまい腑に落ちないという感じでいた。そんなところにチャンスをいただけて、もう一発頑張ろう、自分がチャンピオンになろうと思っています」
――前回のトーナメントを振り返っての思いは。
「1試合目でいうと、自分はどのくらい出血しているか分からなかったので、いけると思っていました。でも映像を見返したら、止められても仕方がなかったかなと。あとはトーナメントは、すごく難しいなと思いました。目の前の試合に集中できないというか、その後のことも考えてしまって。いつもの良さが出なかったですね。実力不足でした。そこは、もし1回戦を勝ち上がっても優勝できなかったと思いました。次は思い切り行けるので、それ相応の試合をしたいです」
――ヨードクンポン選手が優勝する姿を見て、どう思いましたか?
「強いなと思いました。この試合が決まってから、よく研究していますけど、うまい選手だなと。パンチも強いですし、蹴りもうまい。ハートもあって、過去一番くらいの強さですね。今まで通りにやっていたら勝てないと思っています。そのために、初めて相手の研究とかをしています。毎日、トレーナーと試合映像を見ています」
――宮田プロデューサーから期待の声がありましたが。
「ありがとうございます!率直に嬉しいですね。チャンスをくれたんで、期待以上の試合を見せたいです。選んでよかったと思われる試合をしたいです」
――前回と今回の違いは?
「前回のトーナメントはデビュー戦みたいな感じでした。ぶっつけ本番みたいな感じが良くなかったです。その意味で今回は、気持ちの部分が違いますね。前回とは違う試合を見せたいです」
――対タイ人との試合は、過去1勝1敗だと思いますが、その経験を経て今回の試合に影響はありますか?
「デンサヤーム戦はサウスポーだったりとか、早いラウンドで倒しているので参考にならないと思います。パコーン戦は、タイ人の独特のリズムがあって、知らない間にそのペース引き込まれている感じでした。うまさなのかなと。あれに付き合ったら勝てないと思うので、自分の強さを出すことが一番だと思っています」
――前回の試合は進退をかけて戦うと言われていましたが、今回は?
「進退をかけてやります。ラストチャンスだと思っているので、ここで勝たないと上に行けないと思っています。ここですべて出し尽くすくらいの覚悟でいます」
――相手の穴は?
「そんなに細かい言葉では、ここが穴までは分かっていないです。強い選手ですけど、自分と向き合った時に同じ戦い方ができるかとなると話は変わってくる。自分の戦いができれば、全局面で上回れると思っています。スタート地点で、すべてが上回っていれば全局面で勝てると思っています。パンチ、蹴り、打ち合いだろうが、すべて上回ることをイメージしています。うまく戦おうというよりも、全局面で上回るイメージです」
――ベルトを巻いたら、その後の展望は?
「ベルトを巻いたら突っ走るだけ。100か0。負けたら、自分は違ったかなと。勝てば違ってくる。今までは一選手だったけど、チャンピオンになったらK-1の顔になる。どういう方向に進みたいか考えています。可能性を感じています」
松谷綺(日本/ALONZA ABLAZE)
vs
TBA
※組み合わせと出場選手は後日発表
松谷は、空手をバックボーンとし、19年6月にプロデビュー。同年10月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪い勝利。22年2月は豊嶋里美を下し、6月にK-1初の女子大会「K-1 RING OF VENUS」の初代K-1女子アトム級王座決定トーナメントにエントリーするも準決勝で菅原美優に敗れて、プロ初黒星。11月のKrushで優に勝利して再起を果たすと、23年4月Krush初の女子大会「Krush~RING OF VENUS~」では韓国のウォン・ガヨンに勝利して連勝。7月のK-1では元K-1女子アトム級王者パヤーフォン・SWタワンを延長判定の末に撃破した。11月に奥脇奈々を下して第4代Krush女子アトム級王者となる。24年7月は韓国のチョン・ユジョンを判定で下し、11月にガブリエル・デ・ラモスをKOした。
■松谷綺のコメント
――トーナメントへ向けての意気込み。
「ずっと目標にしていたK-1のベルトをとれるチャンスをもらえて、嬉しく思います。二度目の挑戦になるので、今回は必ずベルトを巻きたいです」
――前回のラモス戦のKO勝ちは、自分の中でどんな変化があったか?
「とくに変化はないです。素直にKOできて嬉しいことはあるんですけど、これから期待してもらえると思うので、KOできてもできなくても強いなと思われる試合をこれからもしたいです」
――菅原美優選手をK-1の引退を表明し、タイトルを返上しました。彼女に言いたいことは?
「いろいろと思うことはありますけど、もうK-1にいない選手なので、今はもうどうでもいいです」
――逃げる逃げないで論争になっていました。
「1年半くらい前からやりたいと言ってきて実現しなかったので、自分の中ではそういうことなのかなと。みんなや本人がどう思うかは分かりませんけど」
――今回のトーナメントに出てきてほしい選手は?
「現時点で日本人選手とやりたいというのはいなくて、あまり自分自身いないです。外国人選手だったら、自分が負けちゃうんじゃないかと思われるようなタイトルを持った選手に出てきてほしいです」
――今回のトーナメントでアピールしたい点は?
「女子のアトム級の中でK-1が一番強いということと、世界で一番強いことを証明したいです」
――菅原選手は、「今後の女子K-1は松谷選手に引っ張ってもらいたい」と発言していました。その思いは?
「もちろんありますし、K-1のベルトをとって、K-1のアトム級女子が一番強いことを自分が証明していきたい」
――宮田プロデューサーが、RISEとの交流戦もあるという意見がありましたが、それでも日本人に興味ない?
「今の話を聞くと、RISEだと同じ階級の宮﨑小雪選手が一番強いと思うし、乗っているし、ドローで決着もついていないので他団体も含めてと言うとやりたいですね」