「K-1 WORLD GP」12.3(土)大阪<インタビュー>加藤久輝「僕は仲間のことになると熱くなるタイプ。ANIMAL☆KOJIがAKIRA JrにKOされた姿を見て『次は俺がやってやる』と思った」
――4月のK-1無差別級トーナメントではリザーブファイトから勝ち上がり、ベスト4進出を果たしました。あのトーナメントを振り返ってもらえますか?
「リザーブファイトの愛鷹亮戦は準備していた通り・作戦通りに戦って。KOすることができました。自分としてはそこで試合は終わりという感じで、トーナメントの他の試合を見てたんです」
――リザーバーとして本戦に出る権利はあったものの、そこまで現実的には考えてなかったんですね。
「そうですね。仲間のANIMAL(☆KOJI)が勝つ前提で見ていたら負けてしまい、一回戦で勝った石井慧選手が怪我で欠場になって、自分が繰り上がりで谷川聖哉選手と戦うことになって……。ほとんど谷川選手のデータがない状態で戦って、ハイキックをもらっちゃいました」
――過程の話にはなってしまいますが、もし最初からトーナメント本戦に出場していたら違っていたと思いますか?
「それは実際にやってみないと分からないですけど、対戦相手以外の選手も研究して試合には出ていたと思います」
――加藤選手は2020年から3連敗と結果が出ていませんでしたが、トーナメントではかつての強さ=攻撃力を見せる試合だったと思います。
「身体は動くな、と思いましたね。無差別級だったのでスピードがなくてびっくりしましたけど(苦笑)、攻撃のタイミングは合っていたと思います」
――加藤選手はご自身のジム=West Aをオープンして、練習環境も大きく変わりましたか?
「今は基本的に指導者としてやっていて、そのなかで練習をしています。練習内容もコーチに任せるのではなく、自分で考えて思う通りの練習をやっています。それでいい感じのパフォーマンスを出せたので、結果的にこの練習環境が良いのかなと思いました」
――加藤選手は格闘技のキャリアも長いので、自分の経験値や感性に任せて練習するのが合っているのかもしれないですね。
「あと僕にはもう一つ良さがあって、数カ国語話せるので、海外の色んな情報を得ることが出来るんです。今海外ではどういうトレーニングをやっているのか、最新のトレーニングが何なのか……そこの研究については他の選手よりもリードしていると思います」
――なるほど。
「昔は『これが正しい!』と思われていたものでも、今は間違いとされているものも多いですからね」
――加藤選手は今年40歳になりましたが、まだトップ戦線で戦える手応えはありますか?
「瞬発力はどうしても年齢と共に衰えると思います。若い頃は身体のバネとスピードが武器でしたが、今は技のタイミングやどこで勝負をかけるかを考えて戦うことができる。テクニックと経験値は今がベストなので、衰えた部分をそれで補って戦えば、まだまだいいパフォーマンスができると思います」
――今大会ではAKIRA Jr選手と対戦が決まりました。8月のK-1福岡大会でAKIRA Jr選手がANIMAL選手をKOした試合を見て、AKIRA Jr選手と戦いたいと思ったそうですね。
――対戦相手としての印象はいかがですか?
「リーチが長くて、対戦相手はストレートや蹴りをもらってしまっている印象ですね。ただ僕も自分よりリーチが長い選手や背が高い選手とも戦ってきたので、そこはイメージできています」
――改めて加藤選手のこれからの目標を聞かせてください。
「あともう一勝負したいですね。まだクルーザー級は選手層が厚くないので、ここから連勝してタイトルまでいきたいと思います」