安保は、前回大会(9月のK-1横浜アリーナ大会)の第2代ウェルター級王座決定トーナメント準優勝から早くも再起戦。両者は1月のK-1代々木大会で試合が組まれていたが、大会自体が延期となり、安保の怪我もあって仕切り直し。今回いよいよ実現した。ただ「ウェルター級王者の野杁選手にリベンジする」と公言する安保は「このレベルの選手に手こずってる場合じゃない。圧倒的な力の差を見せて倒す」とKO宣言。
対する海斗は、強靭なフィジカルと強打で「倒すか倒されるか」のスタイルを貫く。目下3連敗な がらも現王者の木村らトップ選手に喫したもので「今回は勝たなヤバいんで絶対に勝つ」と浮上を狙う。前日計量では1・5kgと大幅にオーバーしたものの、再計量でクリアしている。
1R、安保は右ミドル、ロー、さらにハイキック。サウスポーの海斗もハイキックを見せる。安保は右ストレートから一気に詰めてダウンを奪う。安保はバックスピンキック。海斗のパンチをかわして安保は右ストレート。海斗の蹴りに合わせて安保は左フック。さらにコーナーに詰めて、パンチで2度目のダウンを奪う。バックブローで3度目のダウンを奪って1分52秒、KO勝ち。キレキレの安保が実力の違いを見せた。
安保のマイク
「安保瑠輝也です。トーナメントから約2か月、復活して1RKOしてホッとしてます。日本人でウェルター級で、自分とやる相手もいないと思うんですけど。自分の上には野杁チャンピオンがいるんで。人に上に立たれることが嫌なんで、俺がベルトを奪い取らないといけないと思ってるんで。1年以内に必ずリベンジします」
試合後の海斗のコメント
「(試合の感想は?)やりたいことが全くできなかったので、いろいろ今後のことも考えようと思っています。(相手の印象は?)思ってた通りですね。(攻撃は想定以上だった?)手足が長かったですね。強かったです。伸びてくるのは想像してたんですけど、速さも速かったです。(ファンにメッセージを)もう4連敗してるんで、ちょっと今後のことも何か大きく変えなアカンなと思ってるんで、今は『次を楽しみにしてください』とか言えないですけど、いろいろ考えます」
試合後の安保瑠輝也のコメント
「(試合の感想は?)有言実行できてよかったです。(対戦相手の印象は?)印象ですか……。まあ、フィジカル的な強さはありましたね。もともと、70kgとかでやってた選手なんで、そこはありましたけど、打撃の精度とかスピードとかやっぱり、レベルが違うっていうのは自分でもわかってたんで、その結果になってよかったと思います。
(今日こうしようという作戦は?)vsサウスポーなんで、最初に前足を。ちょこちょこ蹴るんじゃなく痛いインローをけるっていうのが一つあって、それは実践したんですけど、途中から打ち合いの展開になって、そこは熱くなったというか。自分も本気で拳を振り抜いたというか。だから、細かくなんの攻撃をしたっていうのは、ちょっといまあんまり覚えてないですね。まだ試合映像も観てないんで。
(全体的にはうまくできた?)いや、僕的にはあんまよくなかったんじゃないかって思うんですけど、まあ、自分のボクシングの先生は『基礎レベルが上がってるから、あの時間になった』っていうことで。べつにその、ただただ力勝ちしたわけじゃないっぽいんで、まあ、よかったんじゃないですか、ハイ。
(今回の勝ちで、この先見えてきたものは?)今回の勝ちは勝ってあたりまえって言ってましたし、勝ってみてそのとおりなんで。まあ、日本人選手で近藤魁成選手。やりたいわけじゃないですけど、ファンの声的に近藤魁成とかウェルターでどうなんだとか言われてて。ただ、階級下げたじゃないですか。だから、誰とこれからやっていくんっていうのはありますね。野杁正明以外で俺と対等に戦える日本人選手はいないと思うんで。
(ファンにメッセージ)リング上で言わせてもらったように、一年未満で決まるかわからないですけど、自分の中でK-1の目標としては野杁正明選手にリベンジして、ベルトを奪うことしか考えてないので。その展開を期待してください、応援ありがとうございました」