大和はK-1では不可思と佐々木大蔵に敗れて2連敗中。ここで復活勝利を目指す。対する大野は35歳。Krushで2連勝して、ついにK-1デビュー戦にして「あこがれの人」との待望の対戦。「大和選手を追いかけてK-1の舞台にのぼってきた。ぶっ倒しに来てほしいですし、ぶっ倒しに行きます」と倒し合いに気持ちを高ぶらせる。
1R、蹴り合いからスタート。大野はひんぱんにスイッチ。大野がロー、ミドル。大和もミドルを返す。終了間際、大和が中に入ってくる大野に左フックを浴びせてダウンを奪う。再開後、大和は追い打ちを掛けるが、大野もパンチ、ハイで反撃する。
2R、大和が力強いロー。大野は右フックからヒザ。大和は左ボディをヒット。大野はヒザ、パンチ。大和は右ストレート。大野は右ロー。大和はコーナーに詰めて三日月。大和が前に出て、ボディ、右フック。大野が飛び膝を仕掛けたところに大和が左フックを浴びせてダウンを奪う。さらにコーナーで左右フックでこの回2度目のダウン。だが大野は立って「来い、来い」と気持ちの強さを見せた。
3R、大和はローからパンチ。さらに右ストレートでダウンを奪う。最後は大和が左フックで倒して3R28秒KO。大和はコーナーにのぼり、久々の勝利に喜びを爆発させた。
大和のマイク
「愛を知る県、愛知県から日本を元気にする男、大和哲也が帰ってきました。3連敗して、どん底で。世界のベルトを獲ってきて、このK-1で足踏みして、離婚も経験して……。でもひとこと言いたい。パパ、勝ったよ!人生何があるか分からないんですよ。34歳、これから見せていきますよ」
試合後の大和哲也のコメント
「(試合の感想は?)KOで勝つのは本当に気持ちいいなっていうのを、何年ぶりだろうな、KO勝ちなんて、数年ぶりに感じます。今年、本当にいろんなことがあったんですけど、試合に向けていいトレーニングができていたんですけど、練習してきたことの本当に半分も出なかったので。まあ、試合はあらためて難しいなっていうのと、反省点はあるんですけど、まずはKOで勝てたこと。K-1でちょっといい勝ちかたをできたんで、ファンのかたにも覚えてもらえる試合になったかなと思います。
(対戦相手の印象は?)二戦、KrushでやってKO率100\%で、今回K-1に上がってこられて。攻撃力のあるタイプだけど、技巧派のタイプの印象もあったので、ちょっと慎重になりすぎたかなっていうのもあるんですけど。すごく圧力も感じて、祐志郎選手の気迫を感じる試合でした。
(この勝ちで取り戻せた感触は?)そうですね。今回の試合でいいリスタートを切れたというか。僕は本当にK-1のベルトを狙ってるんで、来年はコンスタントにK-1で試合をして、ベルトに絡んでいきたいと思うので。スーパー・ライト級は本当に、層の厚い階級なので。いまのままの完成度というか、試合ではまだまだだなってことを感じるので、もっともっと精度を上げて成長していきたいなって思います。来年にはベルトに絡みたいなと思ってます。
(今日の試合と、これまでの勝てなかった試合の違いは?)さっき、前・大和ジム会長と話したんですけど。正直、前会長は『哲也、もう無理かな』って思ってたらしいんですけど、『なんか、今日強かったな』って言われて(笑)。『ムチャクチャ冷静で安定感あったぞ。なんかあったんか?』って言われてですね(苦笑)。何かあったわけじゃないですけど、状況もいろいろ変わって、そういう諸々落ち着いて、ちょっと腹も据わってきたのかなってところですかね。まあ、精神的な面と、練習面の充実がまだ完全に歯車が合ったわけじゃないんですけど、その先駆けの一戦の勝利だったかなと思います。
(ファンにメッセージ)今日は応援ありがとうございました。大和哲也、いま若い選手が活躍するK-1ではありますが、33歳、もうすぐ34歳、まだまだここから夢を見て、夢を追いかけて、夢を見せていきますんで、ファンのみなさん、応援よろしくお願いします。今後も期待してください」
試合後の大野祐志郞のコメント
「(試合の感想は?)大和選手を目標にしてやってきて、実際戦ってみて、「戦いたい」って言う目標は達成できたんですけど、乗り越えることができなくて、悔しいなっていうのが、今の気持ちです。(相手の印象は?)僕がイメージしてた大和選手より、圧、プレスがなく、僕が思ってた以上ではなかった。僕が想像してた大和選手ではなく、同じ人間だったなって感じです。
(その中で倒されてしまったのは?)大和選手といえば左のフックや左のボディだと思うんですけど、それに対して僕も対策を練ってて、ガードして気をつけてたんですけど、1R、何発かガードの上を叩かれて、あと左フックが得意というだけあって打つ位置を変えてきて、しっかり効かされてしまったって感じでしたね。1枚だけ上手でしたね、そのへんは。
(強さよりもうまさを感じた?)ああ、そうですね。そのへんは経験っていうか、さすが世界のベルトを獲ってる人間やなって感じですね。(ファンにメッセージを)さんざん、大和哲也選手が目標で、踏み越えていきますって試合前に言ってたんですけど、踏み越えれず、目標には到達できたっていうところは自分の中ではよかったっていうのはあるんですけど、越えれなかったっていう点ではすごく悔しく思います。ただ、大和哲也という壁を僕は絶っっ対に壊しに行くので、引き続き応援よろしくお願いします。今日は皆さん応援ありがとうございました。そして次はカッコいい姿を見せるんで、まだまだ僕のことを注目しといてください」