1R、朝久は左右に構えをスイッチしながらリングを自在に回り、前蹴り・ミドルと放つ。朝久はリズムに乗り、顔への前蹴り、カカト落としとリズミカルに繰り出す。林はしかしこれを食らいながらも間合いを詰めて顔とボディへパンチを振るう。だが朝久はガードを緩めず、ステップも駆使して林のパンチを当てさせない。
2R、林は圧力を強め、右のフックを朝久の顔・ボディへ力強く振るう。だが、朝久も林のボディにヒザを入れ、ジャンプしての跳び二段りを林に決めダウンを奪う。
朝久は立ち上がった林へさらに猛攻し、ジャンプしての前蹴りからパンチの連打で林にコーナーを背負わせる。そして顔面前蹴りから右フックで林を打ち抜き、2度目のダウンを与える。
朝久はフィニッシュに向かい再び跳び二段蹴りからミドル。さらにジャンピングキックと攻める。攻め疲れが出る朝久だが左ハイキックでKOを狙う。打ち返す林だがダメージで足がフラついている。ハイキックを多用する朝久に林は右ストレート、右アッパーとパンチで応戦する。
3R、林はダメージを回復しており朝久に向かう。パンチを振るっていく林だが、朝久は頭を振って被弾を避ける。林はボディフック、右アッパーと立体的なコンビネーションを見せる。だが、朝久は低いインローを打ち込み度々林の体勢を崩していく。
林は左フックを連続ヒット。しかしその後は朝久が頭を振ってパンチをかわし続ける。朝久はサウスポーになって応戦し、林のパンチを被弾しながらも前に出る。林の強打を空転させて試合を終了する。
判定は30-26、29-26、29-26の3-0で朝久。緊急参戦であったが、1階級上のK-1王者を降す大番狂わせを起こした。
朝久コメント
「(試合の感想は)急きょ決まった試合で、自分一人で戦うような競技なんですけど、周りの支えあってこその勝利だと思うんで、今回は自分の力と言うより、周りに支えられた勝利だったと思います。
(相手の印象は)僕は相手に敬意を持って戦うと、どうしても思いっきり叩けない部分があるので、何としても林選手を悪役に見立てるじゃないですけど、人がよすぎるぐらいでホントに好きな選手だったので、拳を交えることで林選手の背負ってるものを感じることもできたし、今回勝ったから僕が林選手より強いってことでもないと思うんで、またしっかり、正式な試合というか、1ヵ月前のオファーで、お互いがバッチリ仕上がってる状態で再戦したいと思います。
(再戦となるとタイトルマッチの可能性が高いと思うが?)僕は本来60kg級の選手で、何回かオファーいただいてたんですけど、直前に相手が変わるとかそういうこともあって、過去戦った選手と自分を比べられたりすると思うんですけど、ハッキリ言ってKrushの60kgじゃ相手にならないんで、62.5kgは林選手をはじめいろんな強い選手がいると思うので、そっちもいいと思いますし、そこはまた館長と話し合って決めたいと思います。
(ライト級で戦ってみて感触は?)水曜の夕方に正式に決まって、それから急な減量もあって、飛行機の移動も朝4時起きだったりして、体調的にはさすがにバタバタ過ぎて、自分の全力という感じではなかったと思うんですけど、朝久空手には階級はあんまり関係ないので、何級でもオファーがあれば戦いたいと思います。
(そういう状況でもチャンピオンにダウンを取って勝てるというのはどこがよかった?)やっぱり日頃の練習を頑張ってきた自分に感謝というのと、周りの応援がなければ自分がこの場に立つこともできないと思うし、あそこであの技が出たというのもみんなの応援があったからなので、もっと自分自身の力をつけるべきだなと思いますね。
(普段から、試合がある時とない時の練習の差はない?)そうですね。僕たちはやっぱり、いつどこで戦いになるか分からないという気持ちで戦ってるので、今からって言われた時に、『追い込みをしないと戦えない』とかではファイターとしてどうかと思うので、『今からやるぞ』と言われたらすぐにでも戦えるように練習してるので、追い込みとかそういうのはなくて、いつも追い込んでますね。
(ファンにメッセージを)何回も言ってるように、僕自身の力じゃなくてみんなの応援あってこそのこの舞台だと思うし、結果だと思ってるんで、応援よろしくお願いします。僕自身ももっともっと力をつけて頑張ります」