10月8日(火)、都内にて、11.23(土)「Krush.168〜in NAGOYA〜」名古屋国際会議場イベントホール大会のカード発表記者会見が行なわれた。
最初に発表されたのが、2018年以来、6年ぶりの開催となる11.23「Krush.168〜in NAGOYA〜」名古屋大会の対戦カードだ。まず大会アンバサダーを務めることになった佐藤嘉洋さんが、宮田充Krushプロデューサーと共に登壇。佐藤さんは前回までのKrush名古屋大会では大会実行委員長を務めていたが、今回はアンバサダーとして関わることになる。 佐藤さんは2013年の最初のKrush名古屋大会から関わり、2017年より実行委員長を務めて、宣伝活動などに励んできた。久しぶりの名古屋大会開催に、「僕の周りも『佐藤さん、名古屋大会はまだですか?』っていう声が聞こえたんで、ようやくコロナ禍が終わって、また名古屋でもKrushが開催されることができて、大変嬉しく思います」と挨拶した。
そしてメインカードとなるのが、今大会の発起人でもあるKrushライト級王者の大岩龍矢と、トーマス・アギーレの-63kg契約のワンマッチだ。当初は大岩のカードについて、Krushライト級のタイトルマッチという案も出たそうだが、その挑戦者の候補に上がっていたのが、先日の9.28「Krush.165」で行なわれたKrushライト級のワンマッチ2試合に出場した、ゴンナパー・ウィラサクレック、上野空大、“狂拳”竹内裕二の3人だった。しかし、上野はゴンナパーに敗れ、狂拳も弘輝に敗戦。またゴンナパーは勝ったとはいえ、計量オーバーしていたこともあり、タイトルマッチを組むことを断念。代わりに候補に上がったのが、翌日の9.29K-1代々木大会で第7代K-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントに出場し、3位となったアギーレだった。 アギーレは初来日ながら、一回戦でトーナメントの本命と目されていた中国のメン・ガオフォンに勝利。準決勝で稲垣柊に敗れたものの、インパクトを残した。宮田プロデューサーは、「南米では65kgちょっと切るぐらいのウェイトでやっていて、この選手が体重をしぼれるなら、大岩選手の相手にいいんじゃないかと」ということで提案。大岩もアギーレの試合を見ていて、「この選手なら面白い試合になる」と受諾し、-63kg契約でのワンマッチで対戦することになった。 佐藤さんも「かなり噛み合うと自分は予想しています」と、この一戦に太鼓判。剛腕で鳴らす大岩と、K-1のトーナメントで2試合フルで戦ってもピンピンしていたアギーレの激突を、「久しぶりの名古屋のKrushのメインイベントで、大岩龍矢が世界レベルのトーマス・アギーレ相手に、ハイレベルかつパワフルな戦いを期待しております」と期待を寄せている。 大岩自身は、まず名古屋大会が実現したことについて、「Krushを名古屋に持ってこれたのは一番大きくて、王者になって何か貢献したい、チャンピオンとして何かできることはないかとずっと考えていたので、その1つとして地元の名古屋にKrushを持ってこれて、格闘技業界を盛り上げていけるところは嬉しく思います」とコメント。対戦相手のアギーレに関して、普段は1階級上の外国人選手でフィジカル的にも不利も予想されるが、「体作って負けないようにします。パワーは階級が上だろうが負けるつもりはないんで圧倒します」と自信満々だ。アギーレが試合中に凄い声を出していることにも触れ、「声でも負けないように頑張ろうかなと。僕も声をたくさん出します」と、そこでも対抗するつもり。「絶対僕の方が声出してKO勝ちします。もう見えてます。声出して勝つ!」と、KO勝利で名古屋大会のメインを締めくくることを宣言した。 何よりも大岩が願うのは、名古屋の格闘技業界が盛り上がること。特に、「僕も地元・名古屋で格闘技を生で見て、格闘技のプロになりたいってなったんで、そういう若い人たちが現れてほしいなって気持ちです」と、プロの格闘家を目指す若者たちに向けて、「みんなが格闘技をやりたい、カッコいいと思う試合をしたい」という気持ちでリングに立つ。
大岩と同じく既に参戦が発表されていた不可思のカードも決定。不可思はKrushスーパー・ライト級ワンマッチで、近藤魁成と対戦する。不可思は福岡県出身だが、愛知県に在住した期間も長く半分地元ということで、名古屋チームの一員としての参戦。8.18「Krush.164」で塚本拓真に敗れたものの怪我もなかったということで、名古屋大会で早くも再起戦だ。対する魁成は昨年の8.27「Krush.152」でFUMIYAに敗れて以来、約1年3カ月ぶりの復帰戦。兄の近藤拳成が、先日の10.5K-1大阪大会で元K-1王者の林健太に逆転のKO勝利を飾っており、兄に続いての勝利が期待される。 アンバサダーの佐藤さんも、まず不可思について、現役時代にスパーリングをしたこともあるそうだが、「パンチもキックも両方レベルが高くて、キックボクサーとしての能力が高い」と評価。一方の魁成についても、「K-1甲子園の頃から見ているんですけど、当初から技術レベルがもの凄く高い」と評価しており、期待の高さゆえにキャリア序盤から強い選手と当てられ、苦杯をなめてきた経験も、「トップを目指す上で必ずいい道のりになる」と期待の言葉を寄せた。そして、この両者の対戦を、「またもう一回上に上がっていってやるぞという両者のぶつかり合いを、非常に楽しみにしております」と、楽しみにしている様子だった。 不可思は「久しぶりに地元の名古屋で試合ができるということで、めちゃめちゃ嬉しいですし、本当に今回もいい相手を用意してもらったなと思います。試合が楽しみです」と、意気込みをコメント。近藤については、「基本がしっかりしていて、技術レベルが高い選手」と評価。「あえてウィークポイントを上げるとしたら、メンタルが強い感じがしない」としつつも、「名古屋でめちゃめちゃ熱い試合を見せたいんで、思いっきりやり合ってほしいですね。バチバチにやり合いましょう」と、激しいぶつかり合いを希望した。 対する魁成は、不可思のことを「凄いパンチがあって、気持ちも強いベテランのファイターだなって印象です」と見ている。先日の兄の拳成の試合を見て、「2回ダウンを奪われて、盛り返す姿に凄いパワーをもらいました」と復帰戦に向けてのモチベーションはバッチリ。「絶対噛み合うなと思ったし、僕のファイトスタイルと不可思選手のファイトスタイルだったら、会場も盛り上げられるなと思ったんで、プロとして盛り上げて勝ちたいなと思います」と、不可思との打ち合いに挑むことを宣言していた。
また、この日はもう1試合、璃久vs匡志 YAMATOのKrushスーパー・ウェルター級ワンマッチも発表。璃久は8.18「Krush.164」で行なわれた第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメントの決勝戦で、小田尋久に敗れたものの、名古屋で早くも再起戦を行なう。対戦相手の匡志はKrush初参戦。地元・名古屋の大和ジムの所属であり、現在は会長も務めているという。WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者などのタイトルも獲得実績のあるベテランだ。スーパー・ウェルター級は先日の10.5K-1大阪大会で、Krush王者の小田が、璃久も出場した「K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント」優勝者のストーヤン・コプリヴレンスキーと対戦するなど、K-1 GROUP内でもホットな階級ということで組まれた試合だ。 この初参戦の匡志について、佐藤さんは「名古屋の大会、ムエタイの大会だとか『HOOST CUP』とかにも出場している選手。武器は強いパンチとムエタイスタイルも身につけていて、ムエタイスタイルの中でも時折放つハードな左右のフックやパンチなどが魅力的な選手」と紹介。「名古屋出身でベテランなので、名古屋大会のアンバサダーとしては、匡志選手に根性を見せていただきたいと思っております」と、期待を寄せている選手だ。
その他の名古屋大会のカードについてもほぼ整っているとのことで、近日中にリリースにて発表されるという。そして今大会では、大岩が懇意にしているアロマ空間Haluが、大会冠スポンサーになることも発表された。会見には代表取締役の馬渕未来さんが登場。「6年ぶりの名古屋Krush大会の貴重な機会に、冠協賛というお話をいただけて大変嬉しく思います」と挨拶した。さらにその関係で、大岩がアンバサダーを務める名古屋の帝国ジムも今大会に協力することが発表された。帝国ジムでは、TEIKOKU-1というアマチュアの大会を開催しており、今大会ではこのTEIKOKU-1の選手と、K-1アマチュアの選手による対抗戦も2試合組まれるという。盛りだくさんの名古屋大会となりそうだ。