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「Krush.165」9.28(土)後楽園<インタビュー>森坂陸「僕の人生は格闘技しかないと思ってきたし、格闘技のおかげで自分という人間が出来上がった。本当に格闘技に対しては感謝してますし、格闘家でよかったなと思ってます」

 9月28日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.165」で引退セレモニーに登場する森坂陸選手のインタビューを公開!










──まずは6月の後楽園大会での引退試合、松本海翔戦ですが、今振り返るといかがでしたか?


森坂 出し切ってしっかり負けて、やり切ったなという感じですね。悔いは一切ないです。


──あえて、若いこれからの選手との対戦でした。そのことに関しては?


森坂 受けてよかったなと思いますし、思った以上に強かったですね。正直、僕は負けると思ってなかったわけですけど、「強いな」というのが1R終わって時点で分かって。僕は本当は勝たなきゃいけない立場でしたけど、しっかり僕を、初めてのKO負けで終わらせた選手なので、これからどんどん上に上がっていってくれるかなと思うし、僕がやった意味もあったと思います。


──これから、松本選手のその後も気になりますよね。


森坂 そうですね。引退して試合からは退いた側からですけど、先輩として今後これから、本当に応援したいなと思ってます。


──あの試合から、リングを降りてからの日々がもう3ヵ月ほど経っていますよね。現役時代とは全然違うと思うんですが、過ごしていてどうですか?


森坂 いやあ、今はもう毎日バタバタで。お店もおかげさまでうまくいっていますし、妻との時間も作ってるので、すごいバタバタではありますけど、幸せでもありますね。格闘家ではなくなりましたけど、社会人をちゃんとやってるなというか。家庭を築くために頑張ろうという、そのモチベーションで頑張れています。運動とか一切してないので、これからどんどん太っていくんだろうなとは思いながらも、今は全然運動する気にはならないというところが、熱が冷めたというか、やり切ったんだろうなと思ってます。


──今振り返ると、その選手時代を通して思うことというのは?


森坂 僕は17歳から26歳の前半まで9年間、プロとしてやってたわけですけど、すごく濃かったなと思いますね。長いようで短かったんですけど……もちろん、思い通りにいかない時の方が僕は多かったわけですが、それを含めてすごく濃かったなと。まず、K-1 GROUPに参戦してからベルトにたどり着くまでに6年かかったわけですし。まあでも、それなりに自分で工夫して、仕事しながらですけど、毎日格闘家生活を送れていて、充実はしてたのかなと思ってます。9年間、僕の人生は本当に格闘技しかないと今まで思ってきたぐらいだったので、格闘技のおかげで自分という人間が出来上がったなと思ってますから。本当に格闘技に対しては感謝してますし、今振り返ってみたら、本当に格闘家でよかったなと思ってますね。


──改めて、心残りはないですか?


森坂 あー、もう一切ないです。全然戦いたいとも思わないですし。でも僕、今はシーシャのお店に専念してるんですけど、将来はジムをやりたいんですよ。


──そうなんですか!


森坂 はい。20代後半から30になるまでの約5年間でシーシャを成功させて、お金が貯まったら30代はジムをやりたいんです。やりたい目的というのがあって、僕はトレーナー側としてやる気は一切ないんですよ。パーソナルトレーニングジムを開いて、そのとき現役選手の後輩で仲がいい子もいるので、現役の選手を誰か雇うつもりなんです。僕がプロ生活でけっこう苦労したというか、仕事で練習できなかったこともありましたし、格闘家というよりはインストラクターがメインだったので、1人で空いている時間に練習したりしてやってきたんですよ。練習環境がいい選手とか、周りに恵まれてる選手ってスポンサーさんのおかげで練習が仕事という形で食っていけるじゃないですか。


──そうですね。


森坂 そういう選手生活が僕にはできなかったので、僕がジムを立ち上げて、パーソナルトレーニングの時間だけ仕事してもらうってことによって、そんなに時間も取らず、でもちゃんと練習に打ち込めるぐらいに、ちゃんと収入を得られるような業態にしていけば、僕ができなかったプロ生活を次世代の子たちに送らせてあげられたらいいなと思ってるんです。だから30代でジムを開いて、僕は経営者で、という環境が将来のビジョンとしてあるんです。そこは全然ブレてないんですけど、自分が現役復帰したりとか、またやろうとは一切思ってないです。格闘技はずっと好きですけどね。


──すごくしっかりしたビジョンがあるんですね。


森坂 いや、全然。ビジョンだけですから。まあ、今までも有言実行はしてきたので、今はそれがとりあえずシーシャで、まだ始まったばっかなので。これからは経営者として、どんどん上に行きたいなと思ってます。


──今回の後楽園大会で引退セレモニーがあって、それがリングに上がる最後の機会になると思います。それを迎えるにあたっては、どういう気持ちですか?


森坂 すごくありがたいですね。「引退試合をしたいので公式戦でお願いします」という要望を受けていただいただけじゃなく、まさかセレモニーまでしていただけるとは思っていなかったですから。公式戦で引退試合をやって、セレモニーもやっていただけるというのはなかなかないと思うので。


──確かに、なかなかないですよね。


森坂 やっぱりすごくありがたいですし、感謝しかないんですけど、どうせリングに上がって何かしゃべったら泣き出すんだろうなと思ってます(笑)。


──それは覚悟の上なんですね(笑)。


森坂 はい、間違いなく泣くんだろうなと思ってます。今まで、勝っても負けても泣いてきたので。楽しみです。


──応援してくれてた方たちが、会場に足を運んでくださるわけですよね。


森坂 そうですね。試合じゃないので、そんなにたくさんではないですけど。でもずっと応援してくれていた方々はチケットを僕から買ってくれて、見に来ていただけるということで、そんなありがたいことかもないですし。僕は今回、引退セレモニーだけですけど、ちゃんと最後に自分の存在を見せてからキレイにリングを降りられたらいいなと思っていたので、しっかり記憶に焼き付けて、今後とも人間として応援してもらえたらうれしいということを、ちょっとお話しさせてもらいたいなと思っています。


──こうしてお話を伺っていると、次にやりたいこともしっかりとあるし、かなりスッキリした感じに聞こえますね。


森坂 メチャメチャスッキリしています(笑)。本当に悔いはなく、格闘技には「ありがとう」でいっぱいで、燃えきったなって思いますね。6月の試合もしっかりやられて、やり切ったなと思ってます。


──先ほども話が出ましたが、いろいろと苦労された時期もあったりした中で、こんなにいい終わり方ができるとは、あまり想像できてなかったのでは?


森坂 できてなかったですね。だから自分でもビックリしてますし、本当にありがたいですね。自分がここまで来れたのは格闘技のおかげだと思っていて。格闘技のおかげで人間性も作れたと思いますし、何しろメンタルが鍛えられましたし。


──これからもKrush、格闘技の戦いは続くわけですが、これからの選手たちに自分の経験を踏まえて、何かアドバイスやメッセージがあれば。


森坂 自分が思うようにやったらいいんじゃないかと、僕は思います。僕は別に炎上狙いとかじゃなくて、自分のキャラを続けてきただけなので(笑)。それでついたファンもいるし、結局は自分の考えを曲げずに、思うようにやればいいと思いますね。自分を貫いてほしいです。そうすれば、いつか叶う時が来るよというのは、僕は証明したので。どんなに叩かれても、アンチなんかがいても(笑)、逆にプラスに捉えていれば、その人たちもいつかファンになるからというのを伝えたいですね。


──分かりました。ファンの方々へのメッセージは、リング上でお話しいただければと思います。これまでお疲れ様でした!


森坂 ありがとうございました!
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