8月18日(日)後楽園ホールで開催される「Krush.164」の[Krushライト級/3分3R・延長1R]に出場する里見柚己選手のインタビューを公開!
──2月のタイトルマッチ以来の試合ということになります。カード発表会見では、「負けた後、すぐに前を向いたという発言がありましたが、やはりあの結果は、自分でも「まさか」という感じだったのでは?
里見 そうですね。何が何でも勝ちたいっていう気持ちはあったんですけど、その中でも前回、負けてる相手との試合、自分からしたらリベンジ戦で、倒されて負けていたので、「絶対倒したい」っていう気持ちがちょっと出過ぎちゃった感じでしたね。初めの段階からそうなって、距離感とか、もう全然掴めないまま終わっちゃって、実力を出す前に終わっちゃったなという感じです。
──やはり、試合後は引きずるところはあったんじゃないですか?
里見 言っても、やっぱりチャンピオンではなくなったっていう部分に関しては、メチャメチャ凹みましたし、落ち込んだんですけど、でも自分の可能性がなくなったわけではない試合だったと思うんですよね。何も出す前に終わってしまったので、意外とすぐに前を向けた感じがします。
──全て出して負けたというわけではないから?
里見 それが一番ですね。もし判定まで行って負けてたりしたら、折れてたかもしれないんですけど、自分を出す前に終わっちゃったので、相手選手を称えるしかないなと思って、すぐ前を向けました。
──再起してまず目標にするのは、やはりベルトの奪回ですか?
里見 それもあるんですけど、やっぱりベルトを獲った後に2連敗で、両方ともKOで負けちゃって、自分の実力が否定されている感じがするので、まずはそれをしっかりと取り返したいなと思ってます。だからこの試合のテーマは、「復活する」っていうことですかね。
──その再起戦の相手が、初参戦という意外な相手になりました。
里見 僕は新日本キックでデビューして、そこから10戦ぐらいして離れたんですけど、その時にはトップでやっていた選手で、存在は知ってましたね。
──そこで道が別れて、まさか対戦することになるとはって感じでしたか?
里見 そうですね、向こうはムエタイで、こっちはK-1だったので、やることはないなというか。階級は近かったですけど、それはないなと思ってました。オファーが来た時に、フリーになったっていうのを聞いて。だから想定はしてなかったです。
──永澤選手はこれがK-1ルールでの初めての戦いになりますが、そういう意味では、対策の材料が少ないという感じですか?
里見 僕は対策はあんまりしないので。永澤選手の方が大変なんじゃないですかね。ルールが全然違いますし、うまかったりテクニックがあれば勝てるというようなリングじゃないと思ってるので。そういう部分では自分もいろいろ苦労しましたし、そこの差が出るんじゃないかなと思います。
──逆にその差を見せないといけない試合?
里見 そうですね。一度ベルトを獲った人間として、今回も外敵ですし、相手からしたらオイシイ試合だと思ってるかもしれないですけど、速攻で終わらせて、また下から這い上がってきてもらおうかなって思ってます。
──速攻で、ですか。
里見 はい。早いタイミングで倒せる場面があればですけど、しっかりと実力を見せながら、倒せるタイミングがあればという感じですね。
──タイトルマッチからは半年空きました。このタイミングについては?
里見 負けた後、練習はすぐ始めて、試合もすぐやりたいと思ってたんですけど、いろいろ考えて、このタイミングになったという感じですね。まあ、間隔が空く分には全然問題ないです。待ち遠しかったですけど。
──Krushライト級王座は、あの後、また移動しましたが。
里見 試合をちゃんと見てはいなかったんですけど、大岩選手が獲ったってことで、やっぱり防衛って難しいんだなと思いました。
──特にライト級王座、初防衛戦で王座移動が続いていますよね。
里見 そうですよね。自分がまたしっかり獲って、今度はずっと防衛できるような選手になりたいです。
──しかも、敗れた伊藤健人選手を含め、次の挑戦者争いも混戦ですよね。そこの現状はいかがですか?
里見 今は横一列ですよね。だからちょっと、勝ってマイクで言いたいことがあるんですよ。
──そうですか。しかも11月に名古屋大会が決定して、大岩選手の出場の可能性が高いです。そうなると、原則的にはタイトルマッチということになりますが……。
里見 もしそうなるとして、今回、いい勝ち方をして一発で選んでもらえるんだったら、やりたいなっていう気持ちはありますね。そのためにも、やっぱりKrushのタイトルマッチにふさわしいような、派手な勝ち方をしないと選ばれないと思ってます。
──そのために、一番必要なものって何でしょうか?
里見 やっぱり気持ちの面じゃないですかね。絶対に勝つっていう気持ちが強い方が、絶対最後には勝ってると思うんで。いくら懸けていても、失神とかしちゃったら元も子もないですけど、結局最後はそういう執念を持った選手が勝つリングがKrushだと思ってるので。
──そういう思いというのは、タイトルを獲って、さらにそれを失って、より強くなった?
里見 そうですね。前回ベルトを獲ってから、自分が背負うんだという気持ちが強すぎて、まだたぶん背負える実力もなかったと思うんですよね。試合内容にこだわったりとか、「倒して勝つのがKrushのチャンピオンだ」とか勝手に思ってて、それがどんどん裏目に出ちゃって、今こういう結果になってるんで。けっこういろいろ考えさせられる時期ではありましたね。
──では最後に、この試合への“決意”を改めて教えていただけますか?
里見 チャンピオンになって、たくさんの人に応援してもらえたり、みんなに期待してもらった後に連敗して、ベルトも失ったんですけど、自分の周りには本当に温かい人が多くて、変わらずたくさん応援してもらってるので、そういう人たちにまた笑顔になってもらえるように、しっかりと復活して、またチャンピオンを目指せるなと思ってもらえる試合をしたいと思います。
──分かりました。ありがとうございました!