4月28日(日)後楽園ホールで開催される「Krush.160」の[K-1×Krush スーパー・ライト級4対4マッチ/3分3R・延長1R]に出場する塚本拓真のインタビューを公開!
──まず、今回の「綱引きマッチ」という形式を聞いた時には、どう思いましたか?
塚本 客観的に見ると面白いなと。いろいろ盛り上げるために考えたんだろうなと思って、率直に面白いなとは思いました。ただ、やる側で考えると対戦相手が決まってる時と比べると大変なところとかがやっぱりあるなと。まあでも、純粋に面白そうだなと思って、今の過程も自分自身楽しめてる感じはあります。そこに選んでもらったのもうれしかったですし。
──ちなみに、この綱引きマッチというのは、もともとはプロレスでやっていて、全日本キックでも1回やってるんですが、そういうことは知ってましたか?
塚本 いや、知らなくて、イメージとか湧かなかったんですけど、ジムの代表の大宮司さんからその話をされた時に、「俺もやったことあるよ」って言われたんですよ。詳しくは言ってなかったんですけど、「まあ面白いんじゃない?」みたいな感じで。
──それは奇遇でしたね(笑)。実際、相手候補が4人いて、当日にならないと誰との対戦になるかは分からないわけですよね。実際、準備とか対策はどうしてきましたか?
塚本 後から加わった韓国人選手を覗いて、それ以外の3選手は、もう本当に僕が格闘技を始めた頃からずっと映像とかで見ていた選手たちだったので、何となく戦い方とかのイメージは3人とも分かってました。でも改めて、3人の直近の試合とかをもう1回パーッと見て、ジムの中で対策とかは軽くやりましたけど、その3人分の対策に重きを置くというよりは、自分のレベルアップに時間をかけましたね。まだまだレベルを上げていかないと通用しないというところがいっぱいあったと思うので。
──その「レベル上げ」では、特にどういうところに重点を置いてまきましたか?
塚本 スパーリングでも試合でも、調子いい時とそうじゃない時の波がけっこう出ちゃうんですよね。自分の身体のバランスだったりとか、もちろんパンチ・キックの1個1個、メンタル面とかもそうだし、全てにおいて成長させるっていうのを大宮司さんもやってくれて、自分の中でもそれがやっと自信になってきた感じはあって、期待に応えられるんじゃないかなっていう手応えは感じてます。
──今回選ばれたのは、前回の試合、近藤魁成戦での勝利が大きかったと思うんですが、あの勝利につながったのは何がよかったんでしょう?
塚本 最近は本当に心が充実しているというか、練習してても、1個1個学ぶ姿勢だったりも楽しいし。スパーリングでやられた日とかは、落ち込んで「クソーッ!」っていう気持ちになる日も多かったんですけど、最近はその中でも学べるところを探せてるというか、本当に前よりも格闘技に向き合えてるなと思えますね。自分を客観視したときにそう思えるので、そういうのはけっこうデカいんじゃないかなという気はしますね。
──この先や“上”が見えるようになってきた?
塚本 それはもちろんありますね。やっぱり近藤戦の前と後では、選手として見える景色1個上がったなという思いはあります。ここで、誰と決まったとしても勝てば、たぶんもう1個、見える景色が変わってくると思うんですよね。だからこの先の景色を見るイメージも自分ではもうしてますし、でもやっぱり先のことを見過ぎても、目の前のことにつまずいちゃうタイプなので。今回は本当に対戦相手は誰に決まるか分からないですけど、この試合にフォーカスして本当に追い込んできたので、ここで勝って、もっと上の景色を見れるという自信はあります。
──なるほど。
塚本 実は僕がプレリミナリーファイトでデビュー戦をやった日のメインイベントが、ゴンナパー選手だったんですよ。
──そうでしたか!
塚本 だから、「あんな前座でやってた自分が、ここでゴンナパー選手とやることになるのかもしれないなっていうのもあるし、以前、一夜明け会見でインタビューを受けていた時に、同じ大会で勝ってた佐々木大蔵選手が目の前座ってたことがあったんですよ。それで「今、映像には僕しか映ってないですけど、佐々木選手が僕の目の前に座ってて」って言って。その時、佐々木選手はKrushチャンピオンだったので、「俺、絶対いつか目の前にたどり着くので、俺のことを覚えておいてください」みたいなことを言ったんですよ。佐々木選手もいい人なので、その会見の後に「ここまで来てね」みたいな感じで言ってくれて。やっぱりそういうストーリーもあるから、やれるのかもっていうのもワクワクしますし、やるだけじゃ意味ないんで、しっかり超えていかないとっていうのありますし。僕は本当に、今回の試合に対しての熱い気持ちは他の人よりもあるんじゃないかなっていうのは感じてます。
──ではそういうところも踏まえて、今の時点で「できればこの人を引き当てたい」と一番思うのって誰ですか?
塚本 やっぱり強さで言うならば、僕は正直ゴンナパーが一番強いと思ってるので、ゴンナパー選手に勝って自分自身の選手としての格を上げたいというか。自分も今年27歳になるんですけど、格闘家としては決して若くはないので、どんどんそういう挑戦的な試合をしていきたいですし、やっぱりそこに勝ちたいなというのはありますね。
──そういう時に、普段の自分のクジ運ってどうですか?
塚本 どうなんだろう?(笑) でも、みんなには「何かゴンナパー引き当てそうだよね」って言われてますね。それは運がいいと捉えて言ってるのか、逆に一番強いから運が悪いと捉えて言われてるのか分からないですけど。ただ、本当に自分は勝つための練習をしてきたので、誰が相手でもしっかり勝つという気持ちは変わらないですね。誰でもいいですけど、やっぱりゴンナパー選手に勝ちたいというのはあります。
──当日は18時に綱引きが行われて、試合は後半4試合なので、相手が決まってから少し時間がありますよね。その時間はどう過ごしますか?
塚本 それはいつもと一緒じゃないですかね。ちょこっとその相手の映像を見たりはするのかもしれないですけど、別にいつの試合でも、近づいてきたからアップして、とかヴァンテージ巻いて、とかやってたら、けっこう時間ないんですよ。例えばメインだから8時半9時から試合だってなっても、そんなにメッチャゆっくりできる感じじゃないんで。
──そこで、そんなにみっちり作戦をというわけにはいかないと。
塚本 そんな付け焼刃で勝負して通用するような相手じゃないですからね。だったらもう自分がやってきたことを信じて、この1ヵ月2ヵ月やってきたことをぶつけた方がいいと思うので、そこでどうこうっていうのはそんなには考えてないです。
──誰になったとしても、こういう試合をしたい、こう勝ちたいというのは?
塚本 やっぱり、対戦相手はあれだけKrush、K-1で活躍してきた人たちなので、そこに行くまでにいろんな熱い試合を僕をたくさん見てきました。でもそれと同じぐらいの熱さを自分は持ってると思ってるので、間違いなく熱い試合にはなるんじゃないですかね。ただ、熱い試合をして負けてもしょうがないので、最後はしっかり自分が勝つ、という試合をします。
──4試合の中で一番の試合、一番の勝ち方をという気持ちもありますか?
塚本 もちろんそれはあります。Krush側、K-1側で、一応チームみたいな感じじゃないですか。でも別に、Krush側の奴らよりもいい試合してやると思ってますし、そこも全員ライバルだと思ってるので。
──では最後に、この試合に向けての“決意”を、改めて聞かせていただけますか?
塚本 1年前の4月28日、試合の日のちょうど1年前が、僕たちがやったKrush王座決定トーナメントの日なんですよ。僕はあの時に、本当に本当にチャンピオンになれると思って臨んだら2試合に負けて。準決勝で負けたら、まさかの決勝に出られると。でも決勝でも負けて、本当に自分自身、地獄のような日になって本当にそこでいろいろ気持ちも折れたところもあったんですけど、周りの支えを感じたりとか、自分自身もう一回覚悟を決め直すきっかけにもなって、それでこの前、いい復活ができたと思ってるんですね。やっぱり1年経った時に、応援してくれてる人、見てくれてる人たちに、「この1年でこんだけ人は変われるんだぞ」っていうのを見せたくて。そういう思いで、本当にこの「4月28日」にオファーをもらった時も運命を感じましたし。本当にこの1年の覚悟というか、そこは本当に他の選手たちなんか比べ物にならないぐらい、自分自身見せてやろうと思ってるので、そこを見ていただきたいです。
──分かりました。ありがとうございました!