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“ウクライナの希望”タラス・ナチュック「私の勝利は愛する母国に誇りを与えることでしょう」=3.20「K-1 WORLD MAX」

 3月20日(水・祝)に国立代々木競技場第一体育館で開催の「K-1 WORLD MAX」の「K-1 WORLD GP 2024 -70kg世界最強トーナメント開幕戦」で、“悩殺の貴公子”ゾーラ・アカピャン(アルメニア/Gridin Gym)と対戦する“ウクライナの希望”タラス・ナチュック(ウクライナ/Lottatori Milano)が、決戦前のインタビューに応じた。

 ナチュックは、ウクライナの超新星。ISKA世界ライトミドル級(-72.5kg)とWAKOインターコンチネンタルミドル級(-75kg)の二冠王で突進力があり、イタリアの格闘技イベント『OKTAGON』で活躍。24歳と若く、K-1に新風を呼び込む存在として期待されている。

 対するアカピャンは、ロシアの格闘技イベント『RCC』で活躍する“悩殺の貴公子”。獲得してきたタイトルは、FEA WGPライト級王座、RCC Fair Fightウェルター級王座、Tatneft Cup 2019ライト級トーナメント優勝の3つで、チンギス・アラゾフの後継者との呼び声が高い。
すでに来日して決戦へ向けて調整しているナチュック
――K-1初参戦になりますので、格闘技を始めたキッカケを教えてください。

「私は14歳の時に、ウクライナでキックボクシングの練習を始めました。とても、魅力的だったからです。 そして2017年にイタリアへ移住した時に、K-1スタイルの戦いを知り、練習するようになりました」

――これまで獲得したタイトルは?

「2019年、まだ数試合しか戦っていなかった私が、当時イタリア最強で最も経験豊富なキックボクシングファイターでタイトルを保持していたジュゼッペ・パレルモと試合をして2度ダウンを奪い、判定勝ちで初タイトルを獲得しました。

 そして2021年に、2つ目のタイトルであるWAKOインターコンチネンタルミドル級(-75kg)王座、2022年にフランスで3つ目のタイトルであるISKA世界ライトミドル級王座をKO勝利で獲りました」

――K-1MAXのオファーを受けた理由は?

「K-1MAXは伝説であり、歴史があり、そしてとても魅力的だからです。これまで多くの伝説を築き、最強を決めてきました。そんな舞台からのオファーを断る理由はありません」

――K-1についてのイメージは何がありますか?

「世界最高峰の舞台ですね。全世界が注目し、みんながそこを目指すような場所です」

――一回戦ではアルメニアのゾーラ・アカピャン選手との試合が決まりました。どんな試合になりそうでしょうか?

「私は過去の経験から、試合というのは予測してはいけないことを学びました。強い相手に勝つこともあれば、勝てると思っていた相手に苦戦することもあります。少しでも油断があれば、足をすくわれる。それが試合だと思っていますので、全力で戦うだけです」

――どんな所を日本のファンにアピールしたいですか?

「私は肉体が頑丈で、パンチ、蹴り、どんな攻撃にも負けない耐久力を持っています。あとは気持ちの強いところを見てほしいですね。私は、どんな状況でも決して諦めません」

――ウクライナ出身ということですが、母国はロシアと戦争状態にあります。今はイタリア在住とのことですが、ご意見を聞かせてください。

「私の国で起こっていることを残念に思います。私の祖国がこれほど苦しんでいるのを見るのは、胸が張り裂けるような思いです。 できるだけ早く平和が訪れることを願っています。私の勝利は愛する母国に誇りを与えることでしょう」

――いつイタリアに移住したのでしょうか?

「今回の戦争が始まるずっと前の2017年にイタリアへ来ました」

――ウクライナの知り合いから、現地の状況を聞いていますか?

「私は友人や親戚とよく話しますが、彼らは大変で、とても苦しんでいます」

――ご家族やご友人は、お元気なのでしょうか?

「私は親戚を亡くしました。そのことについては話したくないです。 私にできることは、母国の状況を考慮しつつ最善を尽くして生きることです」

――最後にメッセージをお願いします。

「すべての人に、祖国と全世界の平和を願ってほしいです!」
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