菅原美優、宮﨑小雪に陽動作戦⁉「自分が一番心配。勝てるかな、私って(笑)」 =3.20「K-1 WORLD MAX」
菅原は昨年12月にルシール・デッドマンを判定で下し、海外強豪を撃破して5連勝中。対する宮﨑も、昨年は海外強豪に負けなしの3勝をマークし現在11連勝中と勢いに乗る。
K-1とRISEは、女子初となる対抗戦。菅原がK-1王者として、RISEの絶対女王をどう迎え撃つのか注目が集まる。
「オールマイティに何でもできる印象があって、自分の中では強いよりもうまいという感じが大きいですね。最近は、そこに強さがついてきているイメージです」
――ここ数試合はKOで勝っていますので、たしかに強さが際立っていますね。
「サウスポーなんでやりにくさはありますけど綺麗に戦ってくるので、接近してガチャガチャ来られるよりも、どちらかというと戦いやすさはあります」
――攻撃力がありそうです。
「パワーがあるというよりもタイミングで倒しているので、私はうまさだと思っています。宮﨑選手と対戦した選手は“パワーを感じなかった”と言うので、やってみないと分からない部分はあるんですけど、うまさかなと。ここ2試合はボディブローで倒しているんで、基本この技はタイミングを取れるうまさがないとできない。KANAさんのようなパワーでねじ伏せるというよりも、うまさで倒している印象ですね」
――それは菅原選手にとって、戦いやすいと。
「そっちの方がやっかいではありますけど、まともなディフェンスができて、まともな距離感で戦えれば大丈夫かなと思っています」
――タイ修行をした成果は?
「タイは2週間くらいいて技術練習ではなく、走り込みをして身体を作った感じです。朝10km走って、午後5km、その前後にジムワークがありました。フィジカルを鍛えるためにロープを振ったり、そういうことは苦手だったんで、逆によくこの体力でここまでやってこれたなと痛感しました。こんなに力がないのに、運動神経だけで戦ってきたんだと、反省しつつ伸びしろも感じましたね」
――帰国してからは変化を感じたのではないでしょうか。
「戻ってきてからスパーリングをした時に、体力がついたことを実感しました。あとはタイ人の蹴りは力まずにスッと出していましたので、それを意識して出していたら、パワーがついたと言われるようになりました」
「小さい頃の憧れがあってK-1を選択しましたが、RISEはRISEのカラーがあっていいなと思っています。あとは、両団体のトップ(武尊と那須川天心)がいなくなってキックボクシングを盛り上げるためには、どちらも頑張らないといけない時期なのかなと思っています。ゴルフのタイガー・ウッズの“対戦相手を応援して、自分がその上を行く”思想ではないですけど、そんな心境です」
――では、宮﨑選手への憎しみはないわけですね。
「ないです。今回は、無駄に煽られることはされていないので、なんだか変な感じです(笑)。エンタメというよりかは純粋に競い合えるイメージなので、とても楽しみにしています」
――会見では、菅原選手が少し弱気の発言をしているように見えました。
「K-1は、ブレイキングダウンではないので(笑)。そんなに強気のチャンピオンがゴロゴロいても暑苦しいのもあるし(笑)、自分は自分のやり方を通します」
――自分のやり方とは?
「私のメンタルは、アマチュアボクサーなのです。アマチュアボクサーは、無駄な煽り方をしないじゃないですか。無駄と言ったら、怒る人もいるかもしれませんけど。でも最終的には結果が出て、どちらが強いのかが分かればいいと思っています。過信するよりも、蓋を開けてみたら、強かった。それでいいと、私は思っています」
――逆に、火をつける発言ですね(笑)。
「そんなことないです(笑)。あと、相手に心を読まれたくないのもあります。何も言わなければ、相手は何を考えているのか分かりませんからね」
――それも作戦の一つだと。
「どうせ、私は最初から弱いと思われるところから入っているので、そこは崩さなくてもいいかなと思っていますね」
――弱いと思っていろと。
「はい(笑)。そのイメージでリングに上がってきてほしいですね」
「前日の会見では、もう少し強気の発言をしてみます!」
――ちなみに対抗戦は、自分の前までに何勝何敗になっていると予想していますか?
「今回、ファン目線で客観的に対抗戦を見た時に、“この試合はK-1が勝つでしょ”みたいなカードが多いんですよね。誰が一番心配かって、自分が一番心配ですよ。勝てるかな、私って(笑)」
――そんな弱気な。
「勝敗予想で、私が勝つって予想する人を見ると、“なんで?”って思いますもん(笑)」
――でもK-1が弱いと思われるのは嫌なのでは?
「嫌ですね。でも、自分以外のチャンピオンは自信があります。私以外は、みんな強いです。私だけが心配なんです(笑)」
――そんな弱気なことを言っていると、同じ階級の選手に怒られますよ。
「怖いですね(笑)。でも、井上尚弥選手もボクシングをスポーツとして捉えていると発言していました。K-1は喧嘩ではなくスポーツなので、煽り合いとかはいらないのではないでしょうか」
――弱そうに見せて、最後は勝つと。ある意味、それが一番の煽りですけどね。
「リングの上に感情論は不要です。試合で技術と強い姿を見せること、今はそこだけに集中しています」