1月27日(土)都内にて、開催を明日に控えた東京・後楽園ホール「Krush.157」の前日計量と記者会見が行われた。
昨年末の全大会とは打って変わって、今回は本戦8試合&プレリミナリー2試合の計20選手が全員一発で計量クリア。会見は本戦後半の4試合、8選手が登壇して行われた。
ダブルメインイベント第2試合(第8試合)は【青山エリュシオンハウスPresents】Krushフライ級タイトルマッチ、王者・悠斗vs挑戦者・大夢の一戦。悠斗はKrush2戦、試合時間合計1分足らずで第3代王者に上り詰め、早くもこれが初防衛戦。一方の大夢は初代、第2代王座決定トーナメントでそれぞれ決勝に進みながら涙を呑み、これが3度目のチャンスだ。
「しっかり準備してきたんで、明日は相手にそれをぶつけます」(大夢)、「4日前ぐらいに初めて相手の過去の試合を見たんですけど、うーん、ちょっとどうかなあなんて思ってたんですけど、計量の時にすごく睨み合ってくれたんで、僕もちょっとテンションが上がってきましたね」(悠斗)と意気込みを述べた。
計量後のフェイスオフでは長い時間、視線をそらさず睨み合った両者。そこで感じたことを問われると、大夢は「ここまで来たんで、特に何も思わなかったです。感謝と尊敬の気持ちを持って明日はぶつけます」、悠斗は「やっぱ気合い入ってるなと思いましたし、やっとワクワクしてきたなという感じですね」と回答。
4日前に初めて相手の映像を見たことについて、悠斗は「もともと相手のことはそんなに見ないタイプなんですが、映像を見て彼が勝ってきたほとんどの試合、ハッキリ言って彼の勝因は首相撲ですね。彼の試合はすごくブレイクが多いんですよ。パンチを打って掴む。前回の試合なんかひどいなと思って、組んでヒザ蹴りしてダウンを取ってて。僕に関してはムエタイの経験もあるので、そういう展開もできますし、そこからさらに危険な技もできるんですけど……」と話したところで、宮田プロデューサーに「この(K-1)ルールというのは、掴んで攻撃はナシですよね?」と確認。「やっぱりみんな対応できずにやられちゃってるんですよね。僕も『一生懸命やって、タイトルマッチまで来て』って、(大夢を)認めてたところがあったんで、何がしたいんだろうと思ってたんですけど……そういう展開になって警告とか注意がされないんであれば、僕も格闘家として負けるわけにいかないので、僕も同じように戦うしかないんですけど、お客さんが見たいもの、僕がこのリングに来た理由、それは『倒しにいってくれ』ということなので、明日はKrushのフライ級にふさわしいタイトルマッチをやりたいと思ってますよね。特に、KOすればK-1フライ級ができるというのは、僕だけの話じゃない。大夢君が僕にKOで勝つことができれば、K-1フライ級は彼が作ったということになると思いますし、明日はお互い正々堂々と戦えればいいなと思います」と話した。
大夢はルールに沿った戦いをするのかどうかについても疑問を呈された形だが、これに対して大夢は「明日の試合を見ていただければ分かると思います」と、短く応答するにとどめた。
大夢はこれが王座への3度目のチャンスとなるが、過去2回との違いを問われると、「ちょっと違うかもしれないですけど、今回は人事を尽くしてきたので、あとは天命を待つだけだと思います」と、ここもシンプルにコメント。
悠斗はボクシング・ムエタイ・Krushと「立ち技三冠」の経験を持つが、防衛戦はこれが初めて。そこを問われると「自分の中で特別なものはないと思ってたんですけど、やっぱり追われる立場というものはあるんだなと、実感しました」と、これまでの試合とは若干違いを感じている模様。
改めて、最終的な勝ち方を問われると、大夢は「ここはKrushのリングなんで、やるかやられるかになると思います」、悠斗は「一方的にぶっ飛ばして、絶望させて歴史を作ります」と返答。それぞれ短いコメントに気合いがこもっているのが伝わってきた。
過去2戦、悠斗に倒されている相手との違いを問われた大夢は「根っ子から違うと思ってます。今までの選手とは違うと思っといてほしいですね」と答えた。すると悠斗が「どこが違うのか教えてよ」と、具体的な説明を求める。だが大夢は「全部。全て」と答えるに留めた。
悠斗の勝ち方、勝ってK-1フライ級をという流れに注目が集まっている状況については「もちろんファンの皆さんも、悠斗選手が勝つと思ってる人が多いと思いますけど、歴史を変えるというか、『フライ級は大夢でいいな』と思わせる試合をします」と述べた。
勝ってK-1フライ級を作って、この階級がどう変わってほしいかという問いに、悠斗は「今は選手層の薄さが一番懸念されてたと思うんですけど、作ってさえしまえば、彼のように若い選手だったり、他にもチョイチョイ噛みついてくる選手だったりと、そういう風に出来上がっていくと思うんですよね。あとは他の団体にナメられてると思うし、僕の目標はこんなもんじゃないんで、一人一人、ナメたこと言ってる子たちにはしっかり分からせようと思ってます」と答えた。
「明日はファイターとして、男として試合で魅せれたらと思います」(大夢)、「歴史が変わるところを見届けてください」(悠斗)と、最後にファンへのメッセージを述べた両者。王者・悠斗の初防衛戦は、一体どんな展開と結末が待っているのか? 注目!
ダブルメインイベント第1試合(第7試合)は【青山エリュシオンハウスPresents】第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメント決勝戦、池内紀子vs麻央の一戦。昨年10月の準決勝で、池内は真優を、麻央は鈴木万李弥を下してこの決勝に駒を進めた。この両者は昨年6月大会で対戦しており、その際は池内が判定勝利している。ここで勝てば池内は7戦7勝で王座に上り詰め、麻央は池内へのリベンジを達成してベルトも獲得、という一戦だ。
麻央は「調子いいんで、明日は倒して勝ちます」、池内は「明日は全力で挑戦して、全力で勝ちにいきます」と意気込み。「タイトルマッチということで、普段の試合と違うところは?」との質問には、麻央は「ベルトは懸かってますけど、あんまりそこに固執してないというか、自分の中ではリベンジの気持ちが強いので、そこをしっかり成功させてのベルトなので、ま、いつもと同じです」、池内は「自分もベルトというよりも、全てに勝つということを意識して練習してきました」と、この試合については王座よりも大事なテーマがある様子。
前回の対戦から7ヵ月。一番変わった点について聞かれると、麻央は「前戦った自分とはまた別の人やと思って来てほしいです」、池内は「スタミナも技術も、前回よりパワーアップしてます」と回答。それぞれ成長に自信を見せた。その上でどう勝ちたいかと問われると、麻央は「練習通りやって、確実に仕留めにいきます」、池内は「やってきたことを全て出して勝ちます」とコメント。相手に負けたくない部分はとの問いには、麻央は「全てです」、池内は「自分も全てに勝ちます」とシンプルな返答。
「仕留めにいく」と宣言した麻央は、「手(パンチ)も足(蹴り)もどっちでも倒せるように練習してきたんで、どこでも油断できないように仕上げてきました」と、その根拠を語る。また池内はここまで全勝だが、「全勝はしてるものの、自分の中で納得のいく試合はまだできてないので、納得いく試合をします」と、その心境を吐露。「納得いく試合とは」と聞かれると、「練習でやってきたことを120%出して、KOで勝ちます」と答えた。
「明日はしっかりやってきたことを出し切ってリベンジ成功させるんで、たくさん応援お願いします」(麻央)、「明日は全てに勝ちます。応援よろしくお願いします」(池内)とのコメントで会見を締めた両者。新王者に輝くのは果たしてどちらに?
第6試合はKrushスーパー・ライト級、近藤魁成vs塚本拓真。両選手の発言は以下の通り。
近藤魁成「調子はメチャクチャいいんで、明日はすごい楽しみです。頑張ります。
(明日のために一番やってきたこと)倒しにいくような練習をいっぱいしてきて、スパーリングもたくさんしてきたので、明日は倒せると思います。
(ここで勝って、今年どうしたいか)まずこの試合に勝って、Krushを大阪に持っていって、そこでタイトルマッチができれば、自分の気持ちも一番上がるし、楽しみなので、絶対勝ちにいきます。
(前回の負けを踏まえて考えたことは?)スパーリングで相手としっかり打ち合うとか、そういう攻防を一番練習してきました。
(ファンにメッセージを)準備はしっかりやってきたんで、明日は全部出し切って勝ちたいと思います」
塚本拓真「やることやってきたんで、自分自身が一番明日に向けてワクワクしてます。皆さんも明日、お楽しみにしてください。
(明日のために一番やってきたこと)技術練習とか対人練習はもちろんなんですけど、それ以上に自分自身の心にしっかり向き合うようにしてきました。
(ここで勝って、今年どうしたいか)自分はいつもその試合しか見てないので、まずはこの試合に命懸けて、しっかり勝ちにいこうと思ってます。
(児玉選手とともにシルバーウルフから出場ですが?)後輩2人も気合い入ってて、勝ってつないでくると思うので、先輩としてここは負けられないなと。しっかり流れに乗ってシルバーウルフ3戦3勝して終わりたいと思います。
(ファンにメッセージを)明日はお客さんとか周りのファンが求めてるものを、プロとして殺気を持ってぶっ殺しにいこうと思ってるんで、応援よろしくお願いします」
第5試合はKrushライト級、瓦田脩二vs児玉兼慎。両選手の発言は以下の通り。
瓦田脩二「けっこう調子はいいと思うんで、楽しみにしとってもらえたら、面白い試合になるんじゃないかなと。相手もいい選手だったんで、自分も気合い入ってるんで、久々にけっこう緊張して、いい意味でソワソワしてる感じですね。
(明日のために一番やってきたこと)何かと言うより、全部をプラス何割かしてきた感じです。
(ここで勝って、今年どうしたいか)自分ももちろんベルトを獲ろうと思ってるし、2月、もしかしたら勝った方が挑戦者になるかもみたいなカードが組まれてるっぽいんですけど、それは絶対に俺がさせないぞというのを、勝ってリング上で宮田さんにアピールするので、ここは勝たないといけないと思います。
(キャリア差があって迎え撃つ立場ですが?)完璧に挑戦者の気持ちでいきますし、スパーリングも出稽古に行ってかなりレベルの高い相手とさせてもらいました。自分が見えないところでけっこう気合い入ってるんだろうなと思ってますね。いつもはこんなに意欲的に『スパーリング行かせてくれ』という感じじゃないんですけど。いろんな選手とやってきたので、いつも以上に仕上がってると思います。
(どんな相手とスパーリングを?)シュートボクシング三階級王者の笠原弘希選手とか、強めのマスは林健太選手とやって、いい緊張感の中でやれました。
(ファンにメッセージを)明日は最高の舞台で最高の相手と戦えるんで、しっかり準備して最高の試合をしたいと思ってるんで、ぜひ応援お願いします」
児玉兼慎「明日のために今日までやることはやってきたんで、元チャンピオンの瓦田選手に覚悟を持って挑むんで、明日の5試合目、楽しみにしてください。
(明日のために一番やってきたこと)前回の試合から期間も空いてしまったんで、相手の対策ももちろんなんですが、自分自身のレベルアップを一番大事にやってきて、間違いなく前よりレベルアップしてるし、間違いなく今までで一番強い自分が見せられると思ってるんで、そこを見てほしいです。
(ここで勝って、今年どうしたいか)やっぱ俺が一番ほしいKrushのベルトを、今年中に獲りたいと思ってます。
(塚本選手とともにシルバーウルフから出場ですが?)明日はシルバーウルフからは(長野)翔も出るんで、まずは翔が勝って、俺もいい勝ち方をして拓真君にプレッシャーかけようと思います。明日はシルバーウルフ3人で絶対勝ちます。
(ファンにメッセージを)明日は入場からしっかり盛り上げて、相手は元チャンピオンの瓦田選手なので、ホントに覚悟を持って挑むし、やることはやってきたんで、明日はいい日になると思います。明日は応援よろしくお願いします」