“進化するムエタイ”石井一成「僕はリベンジマッチに負けたことがない」、黒田斗真との再戦に自信あり=「K-1 ReBIRTH.2~」12.9大阪
挑戦者の石井は、12月の初代K-1バンタム級王座決定トーナメント1回戦でオスカル・ボルケスをKOし、準決勝ではKrush王者の池田幸司を撃破。決勝で黒田斗真と延長までもつれるも判定1-2で敗れた。今年3月にはムエタイの強豪・ヨーシラーと対戦してドロー。9月にはラジャダムナンスタジアムでKO勝ちを収めて勢いに乗っている。10月にはラジャダムナンスタジアム王者のバントー・ポーラッブンに判定負けも再起を狙う。
対する王者の黒田は、昨年12月のK-1大阪大会で初代K-1バンタム級王座決定トーナメントに出場してヨーシラー・チョー.ハーパヤック、壬生狼一輝、石井一成を下して優勝を果たし、初代王者の栄光を掴んだ。今年6月にはK-1王者としての初陣で“アラブの神童”ラマダン・オンダッシュから判定勝利を収めた。
2人の試合は、昨年の初代K-1バンタム級王座決定トーナメント決勝以来で、石井にとってはリベンジマッチとなる。
「素直に嬉しかったですね。でも…、じつは、ここ最近はムエタイの試合ばかりだったので、K-1のことが頭になかったんです。そんな中で、リベンジマッチのチャンスをいただけて、さらにタイトルがかかっていると聞いて嬉しかったです」
――ムエタイとキック(K-1)に二刀流を極めるのは、かなり難しいことだとは思います。ムエタイはヒジ打ち、首相撲からのヒザ蹴りがありますが、K-1はヒジ打ち、首相撲が禁止されています。技に制限がある中で、なぜ挑戦しているのでしょうか。
「やはり、格闘技を初めたキッカケがK-1のチャンピオンを目指すことだったので、それがまず1つ。あとは、僕がK-1のチャンピオンになればムエタイが強いことを証明できる。みんなにムエタイを知っていただけることになりますので、この2つが大きな理由です」
――K-1ルールへの適応は、いかがでしょうか。
「僕はムエタイ選手の中でも、ファイトスタイル的にはK-1に合っていると思いますので、とくに苦手意識はないですね。ただ昨年のトーナメントの時は、この技が出せるのにと思った瞬間もありました。それは首相撲の攻防ではなく、転倒させたり、ここでヒジを落とせるのにとか、そういう攻めができなかったことです」
――黒田選手との前回の試合は、接近して体をぶつけ合う場面が多く見られましたね。
「できれば押し返して体を離したかったんですが、そうなると離れ際に技をもらう危険性があります。首相撲の攻防があれば崩すことはできるんですけど、あの場面は強引に離しにいかない方がいいなと判断し、ブレイクを待つ展開になりました」
――黒田選手も同じことを考えていたために、押し相撲みたいな感じになったのですかね。
「それは分かりませんが、一発もらってしまうと印象が悪くなってしまいますので、なかなか強引には行けなかったですね」
「僕は前へ出て打ち合いに行くので、打ち合ってくれると思っています。前回の試合は、黒田選手が腕を骨折していたこともあり、それができなかっただけなのでは。今回は、トーナメントではなく万全の状態なので相手のパンチの威力が増すとは思いますが、僕もそれは同じ条件なので」
――では、今回は激しい打ち合いに発展する可能性もあると。
「パンチを警戒しながら前へ行き過ぎないようにして、パンチを2、3発で終わらずに10発続けて打つような気持ちで戦います。お互いに、どういう作戦で行くかはありますが」
――石井選手はムエタイの戦いができない不利もありますが、逆に向こうからヒジ打ちをもらうことはないため、有利とも取れますね。
「たしかに、そうなんです。ヒジないし、ヒザないし、首相撲もない。そういう怖さはないですね。顔に攻撃をもらわなければ倒れない自信があるので、そこだけ注意していればいいかなと。ゼロ距離でヒジ打ちが飛んでこないんで、そこは楽ですね」
――ムエタイのトップ選手が、ルールに制限のある大会に出場した時は、結果を出せずに苦しむ時期もありましたが、最近はどんなルールにもアジャストして結果を残すことが目立つようになってきました。
「そうですね。ONEを見ていても、ムエタイの選手がオープンフィンガーグローブで戦い、首相撲が制限される中でも、うまく対応するようになってきました。多様化が進んでいるという点では、ムエタイも進化しているんだと思います」
「リベンジマッチということで、昨年は僕が辿り着けなかったK-1チャンピオンへの夢、今回チャンスをいただいたので何が何でも勝ちに行きます」
――リベンジマッチに臨む気持ちは、やはり違いますか?
「じつは、僕はリベンジマッチで負けたことがないんです」
――そうなんですか!
「はい、だから常に挑戦者であり続けたいと思っています。ムエタイのタイトル獲って、K-1のタイトルも獲れたら、本当にすごいこと。そこを目指して、これからも挑戦者であり続けます!」