10月21日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.154」の[Krushフェザー級/3分3R・延長1R]で新美貴士と対戦する稲垣澪のインタビューを公開!
──今回、新美選手との対戦が決まった時にはどう思いましたか?
稲垣 絶対次やると思ってたので、「やっぱり」というのが一つと、新美選手は強い選手で、試合も多くしているので、その選手を倒して上に行きたいというのが、自分の中では一番強かったですね。
──ファイターとしての印象は?
稲垣 打たれ強くて手数が多いという印象ですね。どんな相手にも自分の形を押し通して、ガンガン前に出てくるというところが新美選手の強いところだと思っています。
──やりやすい・やりづらいで言うと?
稲垣 自分からすると、MOMOTARO選手みたいに距離が遠い相手の方がやりづらいので、向こうから中に入ってきてくれる新美選手は、距離的なところで言うとやりやすいかなと思ってます。ただラッシュの回転力はすごいと思いますし、サウスポーで中にガツガツ入って振ってくる相手ってそんなにいないという点ではやっぱり特殊で、それを想定した練習相手を探すのも大変だったんですよね。そういうところは対策も含めて自分たちでいろいろ考えてやってますけど、試合になったら思った以上、みたいなところは絶対あると思っているので、全てに関して「自分が思ってるより一段階強いかも」と思って練習をしています。
──対策は万全ですか?
稲垣 会長だったりトレーナーだったり、弟(現Krushライト級王者・稲垣柊)も一緒に作戦を日々ブラッシュアップしている状況ですね。
──前回、MOMOTARO戦では勝利しましたが、ここ数戦は勝ち負けが交互に来る状況、いわゆる「オセロ状態」になっていますが。
稲垣 ちょっとそういう状態が続いてるなっていうのは自分の中でもあって、何が原因かなと思った時に、ファイトスタイルをどうしたいのかというのがちょっと自分の中でボヤッとしてたなというのはあって。今回そこをハッキリさせて、自分の中で戦い方を確立できてますし、今はすごく自信を持って練習にも取り組めているので、ここからどんどん連勝を伸ばしていけるように、弟にも負けないようにしていきたいです。その先にはKrushのもっと上の選手、またK-1の常連選手やチャンピオンともやりたいので、そこに少しでも早く辿り着きたいと考えてます。
──ただ、勝ち試合では岡嶋形徒選手をKOしたりMOMOTARO選手には競り勝ったりと、いい勝ち方も残せていますよね。
稲垣 そうですね。今回新美選手に勝てばKrushのタイトルマッチにかなり近づけるでしょうし、だいぶいい位置に来れてはいるだろうとは思っています。ただ、逆にKrushだけには固執してなくて、K-1の方に出させていただけるなら、そっちにも出たいと思っていますし。どんどん強い相手とやりたいと思っています。
──ただやはり、Krushのタイトルはほしい?
稲垣 弟に先を越されていますし、兄弟でベルトを獲るというのは目標であり夢でもあったんですけど、もう少しで実現できるところまで来ていると思うので。
──弟さんがベルトを獲った時は、セコンドで号泣してましたよね。
稲垣 恥ずかしながら大泣きしてました(笑)。みんなに言われるんですよ(笑)。
──ですよね(笑)。弟さんに話をお聞きしても、澪選手のことを本当に尊敬して慕っているんだなと。
稲垣 「兄弟で仲いいね」というのもよく言われますし、もちろんその中で、弟に負けないように切磋琢磨している部分も、人一倍あるとは思います。自分の試合前じゃなくても、弟の追い込みはずっと一緒にやってるし、もちろん弟も自分が追い込みで死にそうな時も一緒にやってくれます。もちろん格闘技だから個人競技だし、試合をする時は一人なんですけど、「2人で上に行きたい」というのは人一倍思っているので、一緒に獲りたいというプラスの面もありますし、先を越されちゃっているからもっと頑張らなきゃと自分を奮い立たせるところも含めて、弟にはすごくいい刺激を毎日もらっています。
──今度は自分のことで泣いたり、弟さんを泣かせないといけないですね(笑)。
稲垣 そうですね(笑)。自分のことだったら泣けないかもしれないですけど(笑)、自分が獲ったらいつも冷静な弟が泣くところも見られるんじゃないかなと。
──また同日の大会では、メインで同じ階級のタイトルマッチも行われます。
稲垣 自分はチャンピオンの森坂選手には一度負けていますが、その時は肋骨が折れてたというのがあって、試合自体は負けてなかったかなと思ってるんですけど、その後に玖村修平選手とやった時には、森坂選手が一段階も二段階も強くなったなという印象がメチャクチャあって、森坂選手はどんどん強くなってるなと思っています。今回、メインのタイトルマッチに負けないような勝ち方をして、「やっぱり次は稲垣澪なんだな」とみんなが思ってくれるようになりたいです。
──なるほど。
稲垣 それだけじゃなく、「稲垣はもっと上のレベルだな」と思われるようにもなりたいし、もちろん僕の相手は新美選手ですけど、同じ階級ということで絶対見比べられると思うので、そこも含めてしっかりとした勝ち方が必要かなと思います。新美選手ってほとんどダウンを取られたことがないと思うので、その新美選手にどんな勝ち方ができるのかというのもあるし、今は早く試合がしたくてワクワクしてます。
──最終的に、新美選手に勝つために一番必要なものとは?
稲垣 気持ちですね。ラッシュをかけてきたり、最後まで立ち向かってくる新美選手に対して、気持ちだったり手数だったり、いろんな部分で「これは勝てないな」と思わせる試合ができたらなと思います。
──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
稲垣 新美選手はKrushのチャンピオンになったことがあって何度か防衛もしてたし、自分にとってはオイシイ相手だと思っています。もちろんタフだし、簡単に勝てる相手ではないということは重々承知ですけど、しっかり勝ち切って、稲垣澪、稲垣兄弟はやっぱり強いんだというところを見せたいです。そして11月は弟の防衛戦(vs小嶋瑠久)も決まっているので、そこに向かっていい勝ち方でつなげられればいいなと思ってます。
──分かりました。ありがとうございました!