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「K-1 WORLD GP」7.17(月・祝)両国 中村拓己K-1プロデューサーが大会を総括・プロデューサー退任を発表

 7月17日(月・祝)東京・両国国技館「AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023~スーパー・ウェルター級&女子フライ級ダブルタイトルマッチ~」が開催された。中村拓己K-1プロデューサーの総括コメントは以下の通り。

「今日の大会は久々の両国の大会で、ワンマッチが並ぶ大会でした。結構ボリュームのある大会だったんですけど、特に中盤以降、後半にかけては、非常にKOも多くて見どころのある大会になったんじゃないのかなと思います。特に第3部、現役チャンピオンが6人同時に試合をする形だったんですけども、それまでの試合とやっぱ違って、チャンピオンの風格だったり選手としてのレベルの高さとか、プロとしての見せる部分っていうところでも、すごく目立った試合だったんじゃないのかなと思います。

 今回はダブルタイトルマッチで、まず和島選手とピケオー選手の試合。和島選手はコロナで外国人選手がなかなか来日できないという中でK-1チャンピオンになり、これから海外の選手たちを倒していくっていうテーマがある中で。今回は過去に因縁があり、K-1グループの中でも人気と実力があるピケオー選手と対戦しました。ピケオー選手にKO勝ちししてベルトを防衛したことで、みんなも認めるの世界に羽ばたくチャンピオンになったということを証明してくれたんじゃないのかなと思います。

 KANA選手に関しては、いつも試合が決まると防衛戦をやりたいと自分で希望して。それだけベルトの価値とか、ベルトを防衛していくことで、ベルトをもっと高めたいという思いであったり、そういうチャンピオンとしてのこだわりもある中で、今回の試合も組みました。相手のマッケンナ選手も若くてすごく勢いのある選手だったんですけど、ああいった形でKOして。本当にKANA選手はK-1らしい、男子女子関係なくK-1らしさを見せてくれたんじゃないかと思います。

 野杁選手もミドルキック一発でKO勝ちというところで、70kg挑戦も視野に入れての契約体重だったんですけど、本当に世界のトップ選手と試合を組んでいかないと、ほんとに相手にならないかなと思うような試合振りだったと思います。与座選手も1発でKO勝ちして、6月の悔しさを結果で見せてくれたと思います。試合の次の日に練習するような選手なんで、なんかこうやってどんどんどんどん試合していって、もっと磨かれていくことになるんじゃないのかなと思います。

 菅原選手と軍司選手に関しても、KOはできなかったですけども、菅原選手は初めて欧米の選手と戦って、やっぱりパヤーフォンとやった時とはまた違う強さとかうまさが見られたと思いますし、軍司選手もあれだけ一方的に攻めて勝つっていうところでは、あともう1歩倒すっていうことを身につければ、またさらに1段階、選手としても上がるんじゃないのかなと思います。

 第2部ではクルーザー級の3試合。ここは他の階級とは違う、重量級ならではの迫力が出たと思います。KO勝ちしたのはステファン・ラテスクとカルロス・ブディオという海外の選手で。こういう重量級の試合でKO勝ちしたっていうところは、この階級でしか見せられないものが見れたんじゃないのかなと思います。

 そのほかワンマッチをたくさん組んだんですけど、個人的には斗麗選手とヴュー選手の試合が印象に残りましたね。斗麗選手は前回RISEさんとの対抗戦で負けで、次の再起戦の相手がヴューという、前回タイトルマッチだった強豪選手と再起戦をやって。結構こういうオファーすると断られること多いんですけど、斗麗選手はこういった厳しい相手との試合を選んで。そこに向かって準備することで選手は強くなると思いますし、そこでああいったKO勝ちという試合結果を出したことは、本当に斗麗選手とっても大きかったと思います。

 僕はこういう試合を見せる選手は、試合を受けるときにも気持ちが前に出てると思います。敗れたヴュー選手も、今回すごくK-1ルールに合った仕上がり見せてくれたんで、僕は負けても全然ヴュー選手の評価は下がってないです。こういいう試合を受ける時点で気持ちが前に出ていて、それがリングで見える試合、そしてお互いKOを目指して戦って最後はKO決着で終わる。それでいて技術的にもレベルが高いというのは、僕が見せたいK-1はこういうもんだなっていうのを斗麗選手とヴュー選手が教えてくれたかなと思います。

 あと階級で言ったら岩尾選手ですね。今日9月大会でスーパー・バンタム級のタイトルマッチを発表したんですけど、岩尾選手は金子・玖村に続くインパクトを残してくれたと思います。あとはKO勝ちでいうと篠塚選手は、リングに上がると、何やるか分からないみたいな、ああいう危うい感じも非常に印象に残りました。

 第1部では、不可思選手とジン・シジュン選手の試合は試合中に怪我があって消化不良でしたけど、鈴木勇人選手のKO勝ちでね、会場も盛り上がってくれたと思いますし、ジョムトーン選手の、安定感のある強さとかいった試合もすごく印象に残りました。今回は長いワンマッチが続く大会だったんですけど、本当にどの試合も印象に残りました。個人的にはいい大会を見せられたんじゃないのかなと思います。

 大会の総括は以上とさせていただいて。昨日の前日会見でも皆さんにお話させていただいた通り、明日の正午に今後のK-1の活動に関する会見をK-1のYouTubeとABEMAさんで配信させていただきます。今後のK-1に関する重大発表とうたってもらったんですけど、大きな発表があるので、ぜひ皆さん明日正午12時からの会見にもご注目いただければと思います。

 それに伴い、急ではありますが、今日の両国大会をもって、私はK-1プロデューサーを退任という形になります。まずこのタイミングで発表になったことに関して、他のスタッフからも事前に発表して大会を迎えるのもいいんじゃないかという意見やアイデアもあったんですけど、個人的に両国大会の選手とか試合に注目してもらいたいっていう思いもあって。大会前に試合以外の話題が出るのも嫌でした。あとは選手たちにも試合に集中して欲しいというのがあったので、ちょっとそこはお願いして、この試合後の総括のところで発表させていただく形とさせてもらいました。

 2018年12月からK-1プロデューサーをやらせていただいて、約4年半ですね。本当に自分のやりたいK-1の形を今日までやらせてもらって。まず実行委員会のメンバーの皆さんに感謝しています。大会をずっと支えてサポートしていただいた協賛各社の皆さんに感謝しております。
 そしていろんな団体・プロモーションがある中でK-1を選んで戦ってくれた選手たち、そしてジムの皆さんにも感謝してます。そして何より、K-1を好きでいてくれたファンの皆さんにも感謝しております。ありがとうございます、しか出てこないんですけども、今日まで皆さん、ありがとうございました。

(退任の理由は?)時系列的に言うと『THE MATCH 2022』が終わって、K-1の今後の方針をどうしていこうか。僕たちの中でずっと話を続けていたんですけど、その中で、今までのK-1とはまた違う、新しいK-1のコンセプトだったり、そういった新しいものを目指してやっていこうという結論になりました。

 そういう中で自分がプロデューサーを続けるよりも、次の新しいK-1にふさわしい方にプロデューサーをやってもらった方がK-1にとってもいいなと僕自身思って、どこかのタイミングで退任ということを申し出て、この7月大会という形になりました。今後のK-1のことに関しては、明日の会見の配信を見ていただくのが一番いいとは思うので、理由としてはそういった形になります。

(中村さんは今後もK-1の運営の残る?)その辺も引き続き、今話し合い中なので。そこはまた決まったタイミングで。表に立つことはないと思うんですけど、何かしらの形で携わっていくことになるのかなとは思います。

(今後のK-1に託したいことはある?)僕は2014年の11月、新しいK-1がスタートした時はまだプロデューサーじゃなくて、別の形で一緒に仕事させてもらって。それでずっと旗揚げからやってきたんですけども。記者時代から、こういう団体があったらいいなとか、こういう格闘技やりたいなと思ってた理想の形が、いわゆる新生K-1でした。だから僕も覚悟を決めて、プロデューサーとして仕事をやろうと思い、今日までやってきて。”100年続くK-1”とか、アマチュアからプロまで続くK-1のピラミッドを作って、それを大きくしていくというコンセプトでやってきて。もちろん全然合格点じゃないし、100%じゃないんですけど、僕たちがやりたかったK-1の形はひとつ残せたと思います。

 そういう気持ちもあるので、今回、自分もプロデューサーの仕事から引く気持ちになりましたし、そういった意味では今まで僕らが培ってきたものから、次のK-1はさらに新しくいい意味で変わっていくと思うので。僕らがやってきたことをベースに、逆に僕らとはまた違うK-1が見られると思いますし、やってもらえると思います。新しい新章じゃないですけど、そういったところに期待してもらいたいなと思います。

 僕はもう今のK-1でやることを全部やりきったという気持ちなので、僕が何かを託すっていうことはおこがましいなと思います。僕らがやったことをここからまたどう変えていくか、新しいK-1になっていくかっていうところを、僕は見たいなと思いますし、そういうK-1になっていってほしいなと思います。

(『THE MATCH 2022』など対抗戦は改めてどう思われますか?)僕らがやってるK-1の中で、そういったものをやる時期とかタイミングが来たのでやったというか。それを目的でやってきたわけじゃなかったので。ファンの皆さんの熱、あとは選手のやりたいっていう熱が高まって、それができる状況を僕たちが作った。そうやって対抗戦が実現したと思ってるので、僕の中ではもちろんすごく大事な、すごく大きな出来事だったんですけど、K-1を運営してやっていく中で、ファンのみんなが喜ぶこととか、選手がやりたいって思うことをやるという中で起きた出来事かなという気持ちでいます。

(そこを判断するのに実はこう考えていましたとか悩んでいたとかいう裏話はある?)対抗戦については勝ち負けを言われますけど、僕はもちろん勝つつもりでやってましたし、負けるつもりではないですけど、出た結果に関しては受け止めるつもりというか。これで負けたから別にK-1が終わるわけじゃないし、その選手が終わるわけじゃない。ひとつの勝負をやって、そこで出た結果をどう捉えて次に進むべきか。それが大事だと思っていたんで。特に対抗戦は結果のこと言われがちでしたけど、僕は結果どうこうより、そこに踏み切って戦った選手たちがこれからどうなっていくのかにフォーカスしてましたね。

 こういった対抗戦があったから、9月の横浜アリーナでやる金子晃大vs玖村将史というカードがこれだけ注目されるカードになったと思いますし、対抗戦というものを経たことで、僕らの純粋培養のカードが、たくさん人に期待してもらえるカードになったことを僕はうれしく思ってます。是非僕らと絡んだ…というのは言い方が変ですけど、僕たちと対抗戦をやった選手・プロモーターのみなさんは、対抗戦のことを使って、ぜひそれぞれの興行に生かして、こういった黄金カードをどんどん作っていってほしいなと思います。それが続けば、また新しいスターも出てくると思いますし、そういった選手たちが出てきた時に『THE MATCH 20XX』をやるのがいいんじゃないのかなと思います。
(今後何かやりたいことは?)YouTubeチャンネルをやってみたいなと思います(笑)。でも(YouTubeをやるのも)大変だと思うので、とりあえずゆっくりして。自分の好きなことも探しつつ、僕も、また新しい仕事を探さないといけないので、是非マスコミ各社の皆さんに、僕も元ライターで、聞き手書き手も両方できるんで、何かあった時は是非ご連絡ください(笑)。
 では改めて、マスコミの皆さんありがとうございました。僕らのK-1もまだ規模が小さいときからたくさん取り上げていただいて、その中で本当に選手たちの試合を広く報じていただいて、それで僕らのK-1がここまでやってくることができたと思います。改めて皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
 ちょっと重複するんですけども…僕はこのK-1をやりきりました。悔いやもっとこうすればよかったとか、そういったものはないです。実行委員会の皆さん、大会をサポートしていただいた協賛各社の皆さん、メディアの皆さん、関係各位の皆さん、選手の皆さん、ジムの皆さん、そしてK-1から卒業して別のフィールドで戦ってる選手たちもいますけども、そういった選手たちも僕はK-1で戦ってくれたK-1ファイターだと思っています。そういったみんなに、ありがとうございますと言いたいです。

K-1を知ってくれて、本当にありがとうございます。K-1を好きになってくれてありがとうございます。K-1を会場まで見に来てくれてありがとうございます。K-1をいろんな形で見てくれてありがとうございます。僕が携わるK-1は今日で終わりますが、これからもK-1は続いていくので、K-1をよろしくお願いします。本当にありがとうございました」
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