「K'FESTA.6」3.12(日)代々木<公開練習>王者・大和哲也、“氣の呼吸法”で一撃必倒だ!「代々木第一と大和哲也の左フックは相性がいい。このメインイベントは僕のために用意された舞台だと思います」
この日、大和が披露したのは日頃から取り組んでいるという心身統一合氣道の“氣の呼吸法”だ。“氣の呼吸法”とは、「心を静めて、心と体を繋がった一つの姿勢の状態で、ゆっくり吐いて吸ってという呼吸を繰り返していく稽古」とのことだが、これを披露したのには一つの理由があった。大和は昨年4月「K'FESTA.5」代々木第一体育館大会で山崎秀晃を1R50秒でKO。キャッチフレーズの“一撃必倒”を体現するような見事なKO勝利で、悲願のK-1のベルトを手に入れた。
続く9月のK-1横浜アリーナ大会では当時のKrushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵を挑戦者に迎えて、初防衛戦を敢行。こちらは判定勝利での防衛だった。この内容の違いを本人は、集中して冷静に闘えた山崎戦に対し、「大蔵選手との試合は凄く熱くなってしまった部分がある」と分析。大和は試合に臨む上で、「よりいい形でできるように心を静めるということに重点を置いています」と述べている。その心が静まった冷静な状態を再確認するのがこの稽古をする目的で、大和自身も非常に重要視しているという。今回はそれをあえて披露してみせた形だ。
対戦相手の林については、「身長が高くてリーチがあってパンチが強いイメージ。パンチが強いイメージだけど、バランスの取れた蹴りも上手い選手だと思いますし、相手を仕留められる一撃がある選手だなという印象があります」と語った大和。お互いに“一撃”を持つ同士の対戦となるが、「林選手は1回倒してもゾンビのように立ち上がってくるイメージがあるので、僕は林選手と違う一撃で終わらせられる試合を見せたい」と、チャンピオンとして“一撃”の差を見せつけたいところだ。
大和の場合は特に左フックによる一撃KOのイメージが強い。現K-1のリングでも4度の左フックによるKO勝利を収めている。「代々木第一体育館と大和哲也は左フックの相性が凄くいいので、左フックで5度目のKOがあるかもしれないです」とうそぶく大和。当然、林もその左フックを警戒しているが、それは大和も承知の上だ。「僕の左フックは対策されていても当たっちゃうんですよ。みんな対策していてももらっちゃうわけじゃないですか? だから何か分からないけど、何かがあると思うので、そこでもまた何かを期待していてもらうと嬉しいですね」と絶対的な自信を持っているようだった。
また、今回のタイトルマッチはメインイベントで行なわれることも決定。本人は予想していなかったようだが、K-1旗揚げ30周年イヤーの年間最大イベントでのメインイベント抜擢に「本当に僕は持っているんですよ。僕が全部持っていっちゃいます。僕のために用意された舞台ですね」と喜びを隠せない。大和にとってK-1は中学生の頃に憧れた舞台であり、代々木第一体育館は-63kgのチャンピオンになった時と、昨年K-1スーパー・ライト級王座を手に入れた舞台でもある。
時が経ち、憧れていたK-1の30周年に相性のいい会場でメインイベントを飾る。その運命的な舞台で「過去に勝てなかった自分にも感謝できるなっていうか、あの時諦めていたら今の自分はいないので、過去の自分、諦めなかった自分にもありがとうと思えるし、本当に自分の人生の集大成になるんじゃないかなと思いますね」と、総決算的な試合を見せる意気込みだ。