東京・レンジャージム赤坂にて、3月12日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K'FESTA.6~」の[K-1スーパー・ヘビー級/3分3R・延長1R]で京太郎と対戦する石井慧が公開練習を行なった
まず石井が行なったのは対人のシャドーボクシングだ。今回は目標に掲げていた京太郎との大一番ということで、スパーリングパートナーのテオドラス・オークストリスを帯同。テオドラスはリトアニア出身・RIZINにも参戦していた総合格闘家で、「K-1に初めて出た時からチームとしてずっとサポートしてもらっていて、今回は相手が京太郎ということで連れてきました。やることは全てやろうと思って」と語るように、石井にとっては心強いパートーナーだ。
このテオドラス相手のシャドーボクシングを2分1Rこなすと、今度はボクシンググローブを着けての2分1Rのミット打ち。磨きをかけてきたパンチを存分に披露した。
石井がK-1の試合に出るのは昨年4月「K'FESTA.5」以来、約1年ぶりだ。その間、総合格闘技の試合を1試合、そしてボクシングの試合にも2度挑戦するなど、精力的に活動してきた。この1年間を「常に試合があったし、ずっと練習を積めていたんで、格闘家としてかなり強くなったと思いますね」と振り返った石井。打撃技術の向上については、「いろんな経験を積むことで向上していくことはあると思うし、研ぎ澄まされていくことはあると思うんで、試合で分かると思います」と、本人もその成果を披露するのが楽しみな様子だった。
特にボクシングはエキシビションではなく、実際に勝敗のつく試合に出られたことが石井にとってもいい経験になったという。「何が使えるのか使えないのかとか、何が有利なのか不利なのかとか、総合の試合に出た場合は何が有利なのか不利なのかも分かったと思うんですよ」と、実戦で得た感覚は何よりの財産となったようだ。
今回の対戦相手である京太郎は、石井がK-1参戦当初から目標に掲げていた選手だ。「緊張もしますし、楽しみだなっていうのもあるし、思い入れのある選手。勝敗以上のものを見せたいという気持ちあるし、何をしても勝ちたいという想いもある。今回は心で戦いたいと思います」と、強い意気込みを語った石井。
京太郎とは同級生で、同じヘビー級、そして浮き沈みの激しかった格闘技界の同じ時代を共有してきた間柄だ。「ヘビー級では体型も恵まれてないと思うんですけども、強い選手とやってずっと勝っていっている選手なんで、意識していましたし、尊敬もしていました。そういう選手と戦えて僕の人生として、凄くこの経験は厚みがあるなと思いますし、絶対に勝ちたいなと思います」と、リスペクトの気持ちを持ってぶつかっていく。
K-1での試合は今回が4試合目。京太郎とは昨年のK-1無差別級トーナメントで対戦する可能性もあったが実現しなかった。しかし石井本人は「K-1でデビューしてすぐやったとしたら全然ダメだったと思うし、段階を踏ませてくれたっていうのもK-1には感謝していますね。総合に移った当初は名前が先行していて結構強い選手とやらされた経験もあったんですけど、K-1では育ててもらったというか、そういう意味でも凄く良かったと思います」と、今回がベストのタイミングだと感じている。
その京太郎戦を最後にK-1は一区切りという発言もあったが、「今はこの試合にオールインしているんで、次のことは考えてないし、この試合に勝てるなら何でもするっていう気持ちでいます。早死してもいいです」と、今は京太郎戦のみに集中している。朝から晩までジムで練習漬けの毎日を送り、そこで培った自信は「120%ですよ」と豪語。格闘技に人生をかける男が、K-1初参戦から約1年半の集大成を京太郎戦で見せる。