試合前、いつものように顔を近づけ松本をにらみつけた松下は、開始からすぐジャブ・ストレート、左ミドル・ボディへのヒザとラッシュ。この猛攻で松本を下がらせるが、バッティングがあり、松本は左眉をカットする。
ドクターチェックの後で再開すると松下は左フック、右ストレート、ボディへのヒザで再び出るが、松本も傷を守りながら前蹴り・ワンツーと反撃。松下はしかし圧力を落とさずジャブから右ストレート、ボディへのヒザ蹴りを突き立てる。
2R、前進して圧力を掛ける松下だが、松本もプッシングし押し返し右ストレート、右ローで反撃。松下を下がらせる場面も作る松本は右ボディフックと右ローキックをヒット。前蹴りでも松下のボディをとらえる。
右ハイキック、ボディへのヒザを放つ松下だが、松本は防御一辺倒にならず、右ボディフック、右ローを返す。このラウンドは両者一進一退となる。
3R、距離を詰めパンチを回転させる松本だが、松下はミドルをボディに打ち込む。だが、松本は左右に構えをスイッチしながらすぐに再びショートのパンチを回転させていく。
相手を押してボディへのヒザを放つ松下だが、長身181㎝の松下に対し松本も179㎝と負けておらず押し返す。松本もボディにヒザを放っていく。ラウンド終盤は逆に松本が右ボディフックとヒザでやや押して試合を終える。
判定は30-29(松下)、29-29、29-28(松本)でドロー。延長戦に突入となる。
EXR、松下は力を込めた左右ストレートを振るい、右ハイキック。鼻血の見られる松本だが前に出てむしろ松下を下がらせる。そして左右ストレートと松下のボディにヒザ。しかしこの中で首相撲でとらえてしまい、レフェリーは松本に口頭注意を与える。
やや疲れが見られる松本に対し、ステップに軽快さを残す松下。しかし松本は間合いを詰めてパンチとヒザを見舞い、手数では松下を上回る。松本の攻撃をさばいてこそいる松下だが、あまり手が出ない。松本はボディへのヒザと右ボディで攻める。
判定は10-9、10-9、10-9の3-0で松本。延長戦で松下を振り切った。
■試合後の松本篤人選手のコメント
「(試合を振り返って?)思ったとおり、強かったです。パンチもらって切れて焦ったんですけど、セコンドの声を信じてがんばりました。我慢してローを返すのをイメージして、なんとかやりたいことはできたかな、と。(今後の目標は?)今日、-65kgのタイトルマッチがありますけど、(対戦相手の松下大紀は)その次の候補くらいの選手だと思うので、今回は泥臭い勝ち方ですけど次に繋がったのかなと思います。また地道に頑張っていって、チャンスをもらえればと思います」