2月23日(日)、開催を明日に控えた「Krush.171」後楽園ホール大会の、前日計量と前日記者会見が行なわれた。会見には今回行なわれる「Krushライト級GP 2025」に出場する8選手と宮田充プロデューサーが出席。昇也、伊藤健人、西京佑馬、弘輝、天野颯大、児玉兼慎、古宮晴、永澤サムエル聖光の8選手は全員無事に計量をクリアし、決戦を直前にしての意気込みをコメントした。
今回の「Krushライト級GP 2025」は優勝するには1日で3試合勝たなければいけない、過酷なワンデートーナメント。その組み合わせも1.26「Krush.170」のリング上で公開で行なわれ決定している。
まず一回戦の第1試合は昇也vs伊藤健人という組み合わせ。前Krushライト級王者の伊藤を相手にすることになった昇也だが、SNSのX上で行なわれた優勝予想で自分の名前が上がっていないことに触れ、「明日はXとか予想とかあるんですけど、それを覆す結果にしたいなと思います」と意気込みを発表。トーナメントを制覇するのに必要なこととして、「シンプルに頑丈さ」と答えた昇也は、「本当に完璧に仕上がったんで、明日、俺の熱い試合を3試合見せます」と、自信満々に優勝を約束した。
対する伊藤は昨年、里見柚己に勝って念願のKrush王者になったものの、大岩に敗れて王座陥落。12.8「Krush.169」でも今回トーナメントに出場する児玉に敗れて、現在は2連敗中だ。このトーナメントで優勝して巻き返しを図りたいところで、「1試合1試合出して切ってやるのが僕の戦い方なんで、今回は3試合やるつもりで、1試合1試合に懸ける思いを3試合分用意してきた」と、トーナメントに懸ける気持ちも強いようだ。「1試合目から決勝までフルスイングします」と、一回戦の昇也との戦いから自分の全力を叩きつけて、トーナメント制覇を目指すことを宣言した。
一回戦第2試合は西京vs弘輝。西京は識者たちの優勝予想でも名前が一番上がっており、文字通り優勝候補という立場での参戦だ。「明日自分が優勝して、Krushをしっかり締めたいと思います」とコメントした西京だが、優勝候補と呼ばれることについては、「簡単にいくものじゃないし、そのへんは気にせず自分のペースで集中してやっていこうかなと思います」と、周囲の声に惑わされることはない。優勝するのに必要なことも、「集中力」とズバリと答えた西京。「しっかり腹括ってきたんで、覚悟を決めて優勝するんで注目お願いします」と強い覚悟と集中力で、栄冠を勝ち取りにいく。
この西京と対戦する弘輝だが、公開抽選会では選べる順番がくじ引きで最後の8番目になってしまい、自動的に西京との一回戦が決定した。弘輝は公開抽選会の時から、「みんな西京くんから逃げた」と挑発してきたが、今回の会見でもその姿勢は変わらない。西京に関しては、「西京くんの試合をホンマに好きになっちゃう程見た」と対策を練ってきたようだが、「このメンバーで西京くんに勝てるのは俺しかいいひん」、「あとは全員西京くんと俺以下のビビった奴らなんで、何も対策はいらんし、眼中にもない」と豪語して憚らない。
これを聞いた他の選手は、「1試合目なんで結構休めるかなって感じで選んだだけなんで、誰が来ても良かった」(昇也)、「サウスポーとやると決めていたので、そこに昇也選手がいたので選ばせていただきました」(伊藤)、「弘輝選手の言っていることは間違いじゃないと思いますし、ワンマッチであれば僕も強い選手とやりたい気持ちはあったんですけど、目指すは優勝ですので、綿密に会長と作戦を立ててきたので、児玉選手は作戦の中の一つだった」(天野)、「まあ弘輝くんの言うことは言われてもしょうがないんじゃないですかね。優勝すれば関係ない」(永澤)、「優勝することだけ意識しているんで、まあ何もないですね」(古宮)と、反応は様々だ。特に児玉は、「8番引いたんだから、最終的にどっかに入るしかないから、それが西京くんだったというだけで、仮に弘輝が2番を引いていたら、西京くんの方に行ってたかって言ったらそんなことないと思う」と猛反発だ。
これを聞いた弘輝は、「ごめん。なんかみんな必死こいて6選手に言い訳させて、めっちゃ申し訳ないですね」とさらに挑発するようなコメント。自ら注目を集める発言をした上で、「Krush大好きなんで、僕がKrushのトーナメントを制覇するのをファンのみんなも一番見たいんかなと思っているし、団体としても一番ありがたいことやと思うんで、明日は俺の日にしたいと思います」と、強気の姿勢で優勝を目指す。
一回戦第3試合では天野vs児玉が行なわれる。スーパー・フェザー級で戦っている天野は、今回は1階級上のライト級のトーナメントへの挑戦だ。昇也同様、X上での予想では名前が上がらなかったことに触れ、「皆さんの予想だったり想像を全部覆して僕が優勝しようかなと思っている」と、番狂わせを起こすことを誓う。優勝したら、Krushライト級チャンピオンの大岩龍矢への挑戦も頭にあるようだが、元来の階級であるスーパー・フェザー級での戦いにも貪欲だ。2.9K-1代々木大会で開催が発表された5.31K-1横浜大会での、K-1第6代スーパー・フェザー級王座決定トーナメントについて、「5月のK-1のトーナメントにも出場したいと思っていますので、先にここで言うんですけど、そこも視野に入れています」と、スーパー・フェザー級での頂点獲りにも意欲を示していた。
対する児玉は「明日優勝するために来ました。明日優勝します」とシンプルに優勝宣言。トーナメント制覇には運が必要だと考えた児玉は、「練習するのとかは当たり前なんで、それ以外にトーナメントなん運を味方につけようと思って、ゴミとか拾ったりしていましたね」と、募金、ゴミ拾い、ポイ捨てをしないなど、普段やらないような善行を積み、運気上昇を図ってきたようだ。これが効果的かどうかは分からないが、「それが明日出るかなっていうので一番持っていると思います」と手応えは掴んでいるようだ。さらにプロになってから初めてのトーナメント参加のため、昔のK-1のワンデートーナメントの映像を観て勉強をしたという児玉。「僕は99年のホーストになります」と宣言していたが、かつて“ミスター・パーフェクト”、“フォー・タイムス・チャンピオン”と謳われたレジェンドのアーネスト・ホーストような戦いぶりを見せることはできるのか?
一回戦第4試合は古宮vs永澤だ。難聴のハンデを持ちながらK-1 GROUPのリングで戦う古宮だが、昨年の10.5K-1大阪大会でK-1のトップファイターの一角である篠原悠人にKO勝利。今回のトーナメントにも、「やるだけのことはやったんで、優勝するだけです」とシンプルな優勝宣言だ。前回の試合となった昨年の12.8「Krush.169」では、今回のトーナメントにも参戦する西京に敗れてしまったが、「前回の試合で分かったこととか修正するとことかしっかり重点を置いて仕上げてきました」と、しっかり修正に励んできた。「明日は自分の試合で何かを感じられる、与えられるような試合をして優勝するところを、ライブでも会場でも見届けてほしいです」と、静かに優勝を誓っていた。
対する永澤はKrushに参戦して今回の一回戦が3戦目。ここまで1勝1敗という戦績だが、K-1 GROUPでの戦いに慣れてきたのもあってか、「こいつらの足を全員分折る練習をしてきました。ローキックで折ります」と、自信満々に抱負を語った。トーナメントにおいて、自分の見てほしいところを聞かれても、「足を折ります。足を折るんで、是非、ローキックを見てください」と、とにかくローキックに自信がある様子の永澤。宮田プロデューサーからは、大会当日に元K-1ライト級王者の朝久泰央、元Krushライト級王者の里見柚己、現Krushライト級王者の大岩龍矢の3人が来場し、このトーナメントを観戦することが発表されたが、永澤は「1回目Krushに参戦した時に里見にやられてるのでやり返したいですね。あとはチャンピオンとやりたいです」と、目指す目標も定まっている。「俺はまだKrush来て明日で3戦目。外敵がKrush勢全員ぶっ飛ばして、Krushファンにざまあみろって言ってやりたいですね」と、外敵によるトーナメント制覇を目指す。