“マッスルタンク”小田尋久、MAX世界王者ストーヤンと格差対決!「削って、削って削りマッスル!」=10.5大阪
小田はフルコンタクト空手出身で、2021年11月にプロデビュー。“マッスルタンク”のニックネーム通りのムキムキボディの持ち主で、空手の蹴り技にプラスしてパンチの強打を持つ。Krushには23年2月の夜叉猿戦で初参戦し、判定勝利。8月に山崎陽一からKO勝ちを収めるも、11月にフランスで初黒星。24年2月はKNOCK OUで中島弘貴から判定勝ちで再起すると、5月は第5代Krushスーパー・ウェルター級トーナメント準決勝で森田奈男樹をKOし、8月の決勝で璃久を破って同級王座を獲得した。
ストーヤンは元GLORYライト級(-70kg)2位の強豪で、17年には現GLORY世界ライト級王者のティジャニ・ベズタティに勝利している。22年12月に初来日し、RISEのリングでシュートボクシング王者の海人と対戦し接戦となった。オランダの名門Mike's Gymで激しい練習を積み、24年3月のK-1WORLD MAX-70kg世界最強決定トーナメント開幕戦ではカスペル・ムシンスキと対戦し判定負けも、代役で準々決勝に出場するとブアカーオ・バンチャメークからダウンを奪い判定勝ち。準決勝はデング・シルバを下し、決勝はヴィクトル・アキモフをKOして世界一に輝いた。
「自分では、あまりいい試合にならず、消化不良の内容でした。2ラウンド中盤でダウンを奪うことができて、そこから倒し切ることができなかったのが反省点です。あそこで勝ちが見えてしまい、自分では意識していなかったんですが、どこかで守りに入っていたように思います。勝ちに徹底してしまい、プロとして課題が残りました」
――なるほど納得ができなったと。でも、王座を獲得しました。
「Krushのベルトをとることを目標にしていたので、それは嬉しかったんですが、でもここからが勝負やなと。勝ったら、大阪大会に出れることが決まっていたんで、それもあってすぐに気持ちが切り替わりました」
――しかも相手はMAX世界王者のストーヤン選手になりましたが、これは事前に知っていたのでしょうか?
「いえ、聞かされたのは試合後の控室で、もうめちゃくちゃ気合い入りましたね」
――嬉しかったと。
「はい。MAX世界チャンピオンと対戦する機会は、なかなかないと思うので、気合いが入りました。自分はK-1の日本代表としてやっていきたいので、ここは勝負やなと」
――いきなり世界王者だと驚きそうです。
「最初は、“えっ?”とビックリしましたけど、すぐに“やったろ”“やるしかない”という感じになりました」
――今年のMAX-70kg世界大会を見て、どんな思いがありますか?
「やっぱり、あそこに日本人が入って試合をするにはフィジカル、身体の強さが必要やなと思いました。一日3戦しないといけないわけですからね。外国人の強かったムシンスキ選手でも、勝ったけどケガで欠場になって。あれを見ていると、僕のようにフィジカルの強い選手じゃないとやっていけないのかなと思っています」
――これまで“マッスルタンク”と呼ばれるほどフィジカルを鍛えてきたのは、対世界を見ているからですか?
「昨年11月にフランスでタイトルマッチを行って負けてしまったんですけど、自分が思ったのはこういう外国人に勝っていくことやなと。ここからフィジカルをもっと活かして、外国人を倒していきたいと思います」
――空手時代から筋トレをやっていたんですか。
「はい、やっていました。キックボクシングを始めてからは、競技にあった鍛え方を研究して取り組んでいます」
――フィジカルは世界で負けない自信は?
「フランスでの試合でも、フィジカルは負けていないと思いましたし、そこは自信ありますね。あとはジムで教わっている技術をプラスして作戦をしっかり立て、ストーヤン選手に勝ちたいです」
「日本と世界の差があるんやなと思いました。日本で知られていない外国人が、まだまだおるんやなとは思いましたね。だからこそ、日本だけを見ていたらいけないなと」
――その頂点にいるストーヤン選手に対しては、どんなイメージがありますか?
「殺傷能力が高いですね。蹴りとかもめっちゃ速いし、パンチも伸びてくる。バネも凄いなと思いました」
――どんなイメージで勝ちますか?
「削っていくイメージですね。一発じゃなくて、削っていけば勝機があるかなと」
――削れますか?
「削りますよ。削って削って、削りマッスル!相手が嫌になるくらい削りまくります」
――ファンの中には、なぜストーヤン選手が小田選手と戦うの?という声もあると思います。反論はありますか?
「見とけよとしか言えないですね。やる前から、無理やと思っている選手なんかいない。無理やろと思っている人たちをビビらせる試合をします」
――世界王者のストーヤン選手に勝ったら、大変なことになりますよ。
「どうなるんですかね(笑)。すぐにタイトルマッチをやれせてほしいんやけど」
――ダイレクトのタイトルマッチは可能性はありますね。
「なら、そこを目指しますわ」
――小田選手にとって、K-1MAXのイメージはどんなものがありますか。
「やはり魔裟斗さんだったり、ブアカーオ選手とかの盛り上がっているイメージがありますね。僕は当時小学生だったと思いますけど空手をやりながら、映像を見ていました。まさか自分が、こんなことになるとは思ってもいなかったです」
――今回の試合は、璃久戦で悔しい思いをしたことが糧になるかもしれませんね。
「ホント、そうですね。今は、あんな悔しい思いをしたくないので死ぬ気で練習しています。あそこで一撃KOで決まらなくて良かったという試合をしたいですね」
――ケガとかダメージは大丈夫ですよね?
「もちろん、マッスルなんで!」
――マッスルは、なぜ言い始めたんですか?
「山口翔大さんとか、ジムのみんなに“マッスル”というあだ名をつけられているんで。“おい、マッスル”とか(笑)」
――それは嬉しいんですか?
「めちゃくちゃテンション上がります!」
――ファンには“マッスル”と呼んでほしいと。
「すぐに振り向きます!できれば、“マッスルタンク”とフルネームで呼んでください!秒で振り向きます(笑)」
――最後に地元・大阪で試合をすることについて思いを聞かせてください。
「ずっとK-1グループの試合を東京でやってきて、やっと地元の大阪で、しかもK-1で最高の相手と試合ができるので、めちゃくちゃ気合いが入っています。絶対勝ちマッスル!」