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「Krush.165」9.28(土)後楽園<インタビュー>弘輝「今回は戦略がない分、自分が強くなることだけに集中してきたんで、リングに立ったらどうなるか分からないんですよ。いきなり殴り合いするかもしれんし、アウトボクシングするかもしれんし」

 9月28日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.165」の[Krushライト級/3分3R・延長1R]に出場する弘輝選手のインタビューを公開!










──対戦が決まった“狂拳”竹内裕二選手と、8月20日の記者会見で顔を合わせましたよね。あの時には何を感じましたか?


弘輝 一回リタイアした人って、出し切れてなくてまた戻ってくるイメージがあるし、「あと何戦」とか決めて戻ってきて、ベルトとか見てない人も多いと思うんですけど、狂拳はそんな感じじゃなかったから、うれしかったですよね。やっぱり俺は中学の時に狂拳の試合を見て、「カッコいい。こういう団体に出たいな」と思ってKrushを目指すようになったので。その選手と試合できるって、感慨深いじゃないですか。


──竹内選手の試合で、特に印象深いものというと?


弘輝 何やろなあ……。みんな野杁正明戦(2011年4月)とか言いますけど、俺は山本真弘戦(2009年5月)ですかね。


──あの頃の竹内選手って、全日本キックのエリート選手に食ってかかる感じがカッコよかったですよね。


弘輝 そこって、俺と似てると思うんですよ。エリート選手と急に組まれる不良みたいな。


──ああ、確かに(笑)。竹内選手とは、以前に練習したことがあるんですよね?


弘輝 そうですね。WIZARD GYMの合宿の時に一緒になったと思います。「うわ、狂拳や!」って思ったし、あの映像のままってイメージでしたね。スパーしてたら、お互い熱くなっちゃうんで、周りが止めざるを得なくなるみたいな感じでした。


──そのWIZARD GYMなんですが、弘輝選手はそこでも練習していて、会長たちがセコンドにもついていますよね?


弘輝 はい、WIZARDのボスと1試合単位で契約して、戦略を立ててもらってます。


──竹内選手もWIZARDと縁が深い中、今回はどうするんですか?


弘輝 ボスには、試合に関してのマネージャー的なところも噛んでもらってて、「狂拳との試合の話が来たわー」って連絡が来たんですよ。ボスはウソつかへんから、「ファンとしては見たいけど、俺は正直、やってほしくない。やるんやったら、俺はどっちのセコンドにもつかんし、戦略も見いへん」って。これは俺にとっては兄弟ゲンカみたいなもんやから、俺も自分のチームでいくし、と。


──なるほど。でも逆に、普段信頼しているボスの戦略がないということになるわけですが。


弘輝 逆に、今まで自分に足りないものを次から次に指摘してくれて、プランも全部立ててくれてたんですけど、今回は自分でいろんなトレーナーのところに行って、動画も一緒に見てもらって、いろんないいところ、悪いところを深く分析できてる感じなんですよ。だからか、今回は仕上がりが超いいなって思いますね。


──コンディションという点では、前回、2月の大岩龍矢戦は体重オーバーの中での試合になりました。あの反省と改善はどのように?


弘輝 ああなった理由とかを言うと言い訳になっちゃうんで、どのメディアでも言ってないんですけど……普段落とせてたところから落とせなかったので、極論を言えば、普段から62kgでおればいいわけじゃないですか。あの時はあのままクリアできてても戦える体じゃなかっただろうから、今回は有名なトレーナーのKJさんに相談しながらやってます。


──では計画的に落とせているわけですね。


弘輝 周りは体見てビックリしてますよ。でもここまでやれたのは狂拳のおかげやし、大岩君のおかげやし。だからこの試合、KOで勝って、もし11月の名古屋の相手が決まってないんやったら、大岩君とやりたいなと思ってます。いきなりタイトルマッチやらせてくれなんて贅沢は言わないんで。


──大岩戦が2月、その前が昨年9月だったから、しっかりと試合するのはほぼ1年ぶりになりますね。


弘輝 本当はもっと間隔を詰めて試合したいんですけどね。今、K-1 GROUPは契約選手が多いし、ある程度のポジションに行ったら誰とでもいいってわけでもないから、ちょっと退屈ですよね。でもやっぱり、意味のある試合やったらモチベーションが上がってパフォーマンスも上がるから、そういう相手とやっていきたいですよね。狂拳に勝ったら、一番そういう意味があるのが大岩君なんで。


──竹内戦は、改めてどういう試合にしたいですか?


弘輝 理想は、ボッコボコにしたいなと思うんですけど、第三者的に見たら、俺が昔の狂拳みたいな勝ち方するのが一番いいかなと思うんですよね。


──一方で、“あの”狂拳を味わいたいという思いもあるのでは?


弘輝 それはもちろんありますけど、だからってパンチを食らうとかってわけではなくて、後楽園のKrushのリングで向かい合ってるだけでお腹いっぱいでしょう。


──では、ゴングが鳴ったら……


弘輝 今回は戦略がない分、自分を高めてきたし、自分が強くなることだけに集中してきたんで、リングに立ったらどうなるか分からないんですよ。いきなり殴り合いするかもしれんし、アウトボクシングするかもしれんし。自分でもフタを開けてみないと分からんっすね。


──自分の直感に従うという感じですか?


弘輝 普段から殴り合いにいきたいんですけど、いつもはWIZARDのボスが鎖でつないでくれてるから、怒られると思って我慢してるんですけど、今回はセコンド陣もジムの下の子らなんで、リードなんか引きちぎるじゃないですか。だから自分でも分からんですね。狂拳と向かい合った時に何を感じるかにもよるし。


──竹内選手も気合いが入っているようでしたしね。


弘輝 それがいいっすよね。年老いた狂拳に勝っても価値はないんで。


──竹内選手に勝って、大岩選手との対戦も実現したら、その先にはやはりタイトルがある?


弘輝 前に、タイトルにつながる試合がしたいって言ってたら試合間隔が空いたことがあったんですよね。他団体でも何でもいいから出たいって言ってるんですけど。とにかく強くなりたいですね。


──竹内選手に勝ったら、また気持ちも注目度も上がるでしょうし。


弘輝 ていうか、ここ最近でこんなに“Krush”なカードってないっすよね? 普通に楽しみやもん、俺も。やっぱ宮田さんはうまいんすよ。見たいものを提供するところが。俺、普通に見たいっすもん。


──そう思っているファンは多いと思います。あとは期待に応える試合をするだけと。


弘輝 そうですねえ……。勝ち負け以上のもんがありますよね、この試合は。ある種、タイトルマッチよりデカいですからね。ガキの頃から見てた人と、そのリングで対戦するって、すごくないっすか? それこそみんなやったら、魔裟斗やKIDとやるみたいなもんやから。


──それがバーン!と勝って完結すると。


弘輝 うん、何かひと区切りはつく気はします。そこからタイトルなり何なりを目指すのか、そこは自分でも分からないんで。俺って、立ち位置的に昔の狂拳みたいな感じやないですか。でも昔の狂拳はベルトを巻けてないんで、俺は巻きたいなと思いますね。


──分かりました。ありがとうございました!
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