鈴木勇人、卜部功也を倒し王座挑戦アピールへ「ここで自分が勝てば無視できなくなる」=3.20「K-1 WORLD MAX」
鈴木は昨年12月にNARIAGARIからの刺客・豊樹をKOで下し、連勝中だ。約2年8ヵ月ぶりに復帰するベテランとの対戦を控え、どんな覚悟があるのだろうか。
「運営側からすると選手起用の仕方はあると思うんですけど、自分は試合で見せる方の選手なんで、そこを評価されているのかもしれません。とくに今回は、ここを勝てばさらに実力を証明できると思っています」
――ご自身では、“激闘型”と分析していました。
「意識はしていないんですけど、勝ちたいという気持ちが出ると、いつもああいう感じになります」
――ここ数戦で進化した部分は、どこだと思いますか?
「細かいテクニックを覚えたことですね。2、3年前はテクニックをあまり考えたことがなく、ただ殴って蹴ってという感じでした。でもテクニックを知ってから、変わってきました。攻撃が当たるには、こうした道筋があると聞いて、ようやく理解できるようになってきて。殴って蹴るにプラスして、頭で考えながら戦うことができています」
――倒すためのロジックが実践できていると。
「はい、そんな感じですね。それが、うまくはまっています。攻撃が当たるのは、ポジショニング、プレッシャーのかけ方、細かいテクニックが関係しています。向き合っているだけでもぶつかっていて、そうした駆け引きを感じるようになりました」
――今回戦う卜部選手はベテランですが、鈴木選手も25戦のキャリアを重ねてきましたので、戦いに円熟味が出てきたようですね。
「自分の攻撃が当たるポジション、自分がもらうポジションが分かるので、いかに有利に戦えるかという駆け引きができるようになりました。それを覚えてから戦いやすくなりました」
――それを意識したのは、いつくらいですか?
「不可思選手に負けた後(20年12月)、ヴィトー・トファネリ選手と戦った後(21年3月)くらいです。もうこれ以上、勝てないと思った時、トレーナーからテクニックを詳しく教えていただき、そこから変わっていきました。でも、すぐには体に落とし込めずに次の寺島輝戦(21年11月)で、自分の良さと技術がぶつかってしまって悪い方に出てしまいました。その後の林健太戦(22年4月)から、自分の良さと技術がはまり結果が出ました」
「今までの選手とはレベルが違うと思っています。K-1を代表するトップの選手なので、これまでも気持ちとは違いますし、油断したら勝てない相手です。自分の持っている能力の100%、120%出さないと勝てないのでモチベーションが高いですね」
――新生K-1を支えてきた卜部選手には、どんな思いがありますか?
「これまで階級が違ったので、戦う目線で見たことがありませんでした。やはり同じ階級の選手しか見ていなかったので、驚きはありましたね。でも世界を獲ったり、トップ戦線で戦ってきた選手なのでリスペクトはあります。あと会見で卜部選手に、ファイターだなと思いました」
――どんな点が?
「やっぱりファイターは、“我がまま”じゃないとダメだと思うんです。リングでは自分を出した方が勝つと思っているので、それを感じました」
――例えば、具体的に響いたことはありますか?
「後輩たちに語っていたこととか。自分を持っているなと思いました。そうした自分を持っている選手は試合になると強いんです。気持ちが前へ出るというか」
――ご自身は、どういうファイターだと分析しますか?
「自分は、もうそっちしかないんで。気持ちでいくしかない。でも、そっちの土俵でいったら自分は負けないと思っています。今回はテクニックではなく、激闘で戦っていきます。倒すか倒されるか。これしかないです」
――卜部選手は、そういう戦いをしてきますか?
「引きずり込みます。いろいろなパターンは考えていますが、3分3Rあるので、必ず自分のペースに持ち込めると思っています」
「過去の試合を見ているとプレッシャーが強いのを感じていますが、自分のプレッシャーとぶつかった時に、どうなるのか楽しみですね」
――卜部選手はテクニシャンのイメージがあります。
「それはプレッシャーをかけることができるから、細かいテクニックを出せていると思っています。ファイターとしての気質、テクニック、すべて備わっている選手ですね」
――どんなフィニッシュを考えていますか?
「倒したいですね。倒さないと勝てないと思っています」
――最後に今年の目標は?
「チャンピオンベルトを獲ります。でも、その前に卜部選手がいるので、そこに集中したいと思っています」
――チャンピオンの大和哲也選手は、挑戦を受けてくれそうですか?
「大和選手は卜部選手に2回負けているので、ここで自分が勝てば無視できないと思っています」