11月25日(土)後楽園ホールで開催される「Krush.155」の[ダブルメインイベント第2試合(第9試合)/Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R]で稲垣柊と対戦する小嶋瑠久のインタビューを公開!
──試合が間近に迫っていますが、今の仕上がりはどうでしょう?
小嶋 過去最高の仕上がりです。すごく集中できていて、今までにないぐらい相手に関心を持って練習できています。
──関心というのは、対策についてということ?
小嶋 そうですね。今までは対戦相手に興味がなかったんですよ。自分が強くなればいいとしか思ってなくて。だから相手の映像とかもほとんど見てなかったんですけど、今回は絶対この勝負に勝ちたいと思って……タイトルマッチとかチャンピオンとか以前にこの勝負に勝ちたくて、映像も見てるし、対策もしています。
──「この勝負に」というのは、相手が稲垣柊選手だからということですか?
小嶋 いや……俺は今回の試合は1月と4月の王座決定トーナメントの続きだと思っていて、トーナメント直前、一昨年11月に亡くなった弟が持ってきてくれた大きなチャンスだと思ってるんですよ。自分にとって大切な試合だから必ず勝ちたいし、チャンピオンになった姿を弟に見せてやりたいという気持ちが強いです。
──では、4月に負傷棄権で決勝戦に出られなかったあの時から、ずっと考えていたということですか。
小嶋 そうですね。ずーっと考えてました。負けてないのに決勝戦に出られなかったので、メチャクチャ悔しかったので。だから、その決勝戦の映像を対策のために見ていたら、余計に悔しさが湧いてきたんです。でもそれは、相手がチャンピオンになったからとかじゃなくて、自分がこのトーナメントを戦い切れなかったという悔しさで。だから今回勝つことで、あのトーナメントを終わらせられると思ってます。
──稲垣選手は、「この試合はトーナメントの続きという意識はない」と言っていました。
小嶋 それは意外ですね。だって、俺とやってないじゃないですか。俺とやってないのに、何でチャンピオンって名乗れるんだろうって思います。まあでも、そこの差が出るんじゃないですか。チャンピオンになった気になって、そこで満足してるのか知らないですけど、俺は全然納得してないんで。やっぱり、やらなきゃ分からないじゃないですか。それを聞いて、「モチベーションが全然違うな」というのも感じるし、俺はずーっと狙い定めてきたので、そこの差を見せてやりたいですね。
──というところで改めて、稲垣選手の印象は?
小嶋 本当にいい選手だというのはすごく分かっていて、ファイターとしても認めているし、チャンピオンにふさわしい実力を持っていると思います。どんな状況においても冷静に戦う選手という印象ですね。
──試合の中で、その冷静さを乱したいという感じ?
小嶋 いや、この勝負は必ず自分が勝つと思うし、それは試合になれば分かると思うので、そこをメチャクチャ意識しているわけではないですね。
──では、どう勝ちたいですか?
小嶋 やっぱりKrushなので倒したいと思ってますし、チャンスがあればいつでも倒しにいけるような準備はできてます。毎試合そうなんですけど、自分が今までやってきたことの集大成だと思っているので。今回、相手は本当に「あの時、決勝でやらなくてよかったな」と感じると思うんですよ。しかも、その時よりも一回りも二回りも大きくなっていて、絶対的な自信があるので、本当にやってきたことを思う存分ぶつけたいなと思っています。
──やってきたことといえば、ここまで練習環境を変えたりもして、今に至っています。ARROWS GYMとしても初のタイトルマッチですよね?
小嶋 そうなんですよ。ジムの矢口哲雄代表は俺の全てを変えてくれたんで、ここで恩返しをしたいです。本当に、格闘技だけじゃなくて人間としても成長させてもらっているので、2人でチャンピオンの座を掴みたいなと思ってます。しかも俺は今回、メインイベントに出るのも初なので。
──あ、そうですね! その上、今大会は立ち見券まで含めて全席完売という発表がありました。
小嶋 最高ですよね。俺は注目されればされるほど強いので、超満員の会場が盛り上がってくれれば、より力が出せると思うんですよね。そこも楽しみです。今回は本当に、相手選手とはここまでの経験が全然違うと思うんですよ。アマチュアの経験もそうだし、負けて悔しかった経験もたくさんしてきましたし。俺の拳はいろんな経験が詰まっていてメチャメチャ重いので、それをぶつけてやりたいと思います。
──ここまでのキャリアでは、いいところでもう一つ波に乗れない感じがあったと思います。
小嶋 本当に、いつもあと一歩、あと一掴みというところで逃してしまってきました。何で逃してきてたのかなというのも今の俺が一番分かっているからこそ、今回は今までで一番準備もしてきたし、いつも以上に自分に厳しくやってこれました。そういう失敗経験がたくさんあって、「これをやったら失敗する」とかも分かってるし、気持ちの持っていき方とかも含めて、今回が一番いい状態だと思います。
──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
小嶋 今回、自分は感謝の気持ちを持ってリングに立ちたいと思っています。家族、応援してくれてる方たち、スポンサーの方々、矢口先生、ジムのみんな、そういう周りの人たちがいなかったら、絶対俺は今、立ててないと思うんですよ。弟のこともあるし、本当に今までやってきたことを形にできるチャンスなので、それをチャンピオンベルトという形にしてみんなに見せてあげたいなと思っています。それを見届けてほしいですね。
──分かりました。ありがとうございました!